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スポーツの力を信じている。 戦後間もない昭和21年(1946年)に池田恒雄がベースボール・マガジン社を興しました。池田は刷り上がったばかりの『ベースボールマガジン』を後楽園球場に運びました。わずか36ページのモノクロ印刷の雑誌に、多くの野球ファンの手が伸びてきました。

それから70年、大鵬の45連勝に日本中が沸き立ち、天覧試合での長嶋茂雄のホームランに歓喜し、王貞治のホームランの世界記録を称え、サッカーワールドカップへ初出場を果たして喜ぶ日本代表の姿を伝え続けてきました。国立競技場を埋めた6万2000人のラグビーファン、具志堅用高のパンチに拳を突き上げるボクシングファン、大都市東京を走る3万6000人のランナー、錦織圭や伊達公子に憧れるジュニアテニスプレーヤー…私たちの作る雑誌の誌面には、スポーツに関わる多くの人たちが登場してきました。

スポーツは、人々の心を豊かにして、社会に活力を与えるものであると私たちは信じています。健康にいいことはいうまでもありません。スポーツをする人はもちろん、見る人も、支える人も、スポーツによって人生を豊かなものにすることができる。だから、私たちはもっともっとスポーツが盛んになってほしい、そう考えています。

そのスポーツに私たちは出版という活動を通じて関わり続けてきました。伝えることによって、スポーツの発展に寄与してきたという自負があります。これからも、私たちはスポーツの力を信じて、情報を発信し続けていきます。雑誌では伝えきれなかったことを補うために、「ベースボール・マガジン社WEB」を開設します。

戦後間もない初秋の後楽園球場で、わら半紙のような雑誌に手を伸ばした人たちは、復興するエネルギーの源をスポーツに求めていたのではないでしょうか。スポーツの力を伝える喜びを胸に、ベースボール・マガジン社は新しい一歩を踏み出します。