2月15日に発売されたアンダーアーマーの新しいクッショニングシステム、UAホバーを搭載したシューズ、UAホバーファントムとUAホバーソニックの体験イベントが開催された。アンダーアーマーは、「衝撃を吸収し、反発エネルギーを推進力の変えるUAホバー」と説明しているが、果たしてそうなのか。その発売イベントで体験してきた。

 ファントムとソニックの違いは、簡単に言えば、そのソールの厚さだ。ファントムのほうが厚く、重い。いわゆる初心者向けのシューズで、ソニックは少し経験を積んだランナー向けということができる。

 渡されたのは、ファントム。ニットアッパーが優しく足を包む。どこにも違和感がないのは、アンダーアーマーがコンプレッションウエアで培ってきたノウハウが生かされている証拠だろう。標準的な足をしている日本人なら、フィット感で不満を感じるランナーはほぼいないはずだ。

画像: ファントム。ニットアッパーがしっかりと足を包み込む

ファントム。ニットアッパーがしっかりと足を包み込む

 走り出す前にテクノロジーに関する簡単な説明があった。アンダーアーマーにおけるこのシューズの位置づけは「超反発性クッショニングシューズ」らしい。構造は下の写真のようになっている。公の説明は時間も短く、参加していたランナーもビギナーらしい人が多かったので言及されなかったが、ホバークッショニングの核となるホバーフォームは、世界最大級の化学会社であるダウ・デュポンとの共同開発だと仲のいいドームの社員が教えてくれた(ダウ・ケミカルとデュポンが合併していたことをこのとき初めて知った)。

画像: アンダーアーマーのホバーフォーム搭載シューズ、
UAホバーファントムとUAホバーソニックの違い

 軽く走り出して感じたのは、反発よりも着地安定感のよさだ。硬度の高いマイクロGのキャリッジがグラつきを抑えているのだろう。外側に空けられている窓が内側にはないので、内側への倒れ込みを抑制して前への重心移動を容易にしているのかもしれない。

 スーパーチャージドクッショニングが、着地衝撃を吸収しているという感覚は走っている間中、ずっと感じることができた。しかし、キロ6分半くらいで走っていると、期待したほどの反発力を感じることはできなかった。

画像: マイクロGの外側に空いている窓。内側にはこの窓がないので、倒れ込みを抑制するのだろう

マイクロGの外側に空いている窓。内側にはこの窓がないので、倒れ込みを抑制するのだろう

 最近、ランニングシューズにおける反発とは何かという問いに悩まされている。フォーム(発泡材)が着地衝撃を吸収することはできるが、反発を生むことはあるのだろうかという疑問だ。ファントムで走りながら、ずっと反発をもらえているのか、これを反発と言っていいのか、ランナーが望んでいる反発はこういうことなのか、そんなことを考えていた。

 フォームを網でくるんで力を逃さないようにして、レスポンスをよくするという発想は新しく、可能性を感じさせる。しかし、ファントムでその発想が狙い通りに機能しているのだろうか。残念ながら、私にはそうは感じなかった。フォアフット接地だからかもしれない。踵着地なら接地時間が長くなるので、ウエブに包まれたホバーフォームが復元する力を感じることができるのかもしれない。

画像: 踵着地を前提に作られているのだろう、踵部分にエナジーウェブが多めに搭載されている。

踵着地を前提に作られているのだろう、踵部分にエナジーウェブが多めに搭載されている。

 あくまで個人的な印象だが、このシューズで気持ちよく走れるペースは、キロ6分から7分くらいだと思う。キロ5分で走れないことはないが、ちょっともったりした印象になる。

 こうなると、ソニックはどうなのかということが気になる。幸い知り合いのライターのSさんが、ソニックを提供されていたので、貸していただくことにした。サイズは1サイズ大きいが、ニットのアッパーがしっかりと足を包んでくれる。外付けのヒールカウンターが、踵骨を上から押さえてくれる。個人的にはファントムのブーティー構造の履き口より、シンプルなソニックの履き口のほうがいい。こういう点も、シューズの印象に影響するのかもしれない。

 

画像: Sさんにお借りしたソニック。レーシングフラットに近い感覚。

Sさんにお借りしたソニック。レーシングフラットに近い感覚。

 

 走り出すと明らかにファントムとの違いを感じられた。フラット気味に接地しても、フォームの反発を感じられる。ソニックに関する説明がなかった(聞きそびれた?)ので、内部の構造など詳しいことはわからないが、ホバーフォームのレスポンスの速さを感じることができた。

 長い時間走ったわけではないが、キロ5分くらいのペースが気持ちよく感じられるシューズだと思う。

 ファントムもソニックもともに完成度は高い。癖がないのでシューズがランナーを選ぶということもない。衝撃吸収性と着地安定性が高いので、故障のリスクも低そうだ。ただ、「超反発」で今の自分の走りをアシストしてほしいという高い望みをかなえてくれるようなことは期待しないほうがいい。現実に、そんなシューズはそうあるものではないからだ。

 日々のトレーニングのパートナーとして、走力の向上に寄与してくれるギアとしては何の不足もない。アンダーアーマーらしいデザインのよさで、カジュアルシーンとスポーツシーンで兼用できるフットウエアだ。

 試し履きイベントに続いて、ホバーのローンチパーティーも行われた。会場にはドームの安田秀一社長も顔を見せていたので、「いいシューズができましたね」と伝えたら、「ポートランドで開発しましたから」と笑った。オレゴン州ポートランドといえば、多くのシューズメーカーが開発拠点を置き、人的交流も多い。完成度の高さの理由の一つだ。

UA ホバーファントム ¥15,000+税

UA ホバーソニック  ¥12,000+税

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