■J1リーグ 開幕節
FC東京 1-1 浦和
得点者:(F)東慶悟
    (浦)槙野智章

違いを生むピース

2018シーズンの開幕戦。浦和をホームに迎えたFC東京は、我慢の45分間を終えて、後半に試合を動かした。

まず最初にネットを揺らしたのは、東慶悟。48分、髙萩洋次郎のスルーパスに抜け出し、中央から正々堂々、相手ゴールに向かって攻め入ると、追いすがる槙野智章、宇賀神友弥の当たりをものともせず、ゴールにボールを流し込んだ。

FC東京が欲しかった先制点を手にしたものの、すぐさま浦和も反撃する。50分に訪れたCKのチャンス。柏木陽介が蹴ったボールに、ゴールほぼ正面で待ち構えていた槙野が右足のアウトサイドで合わせ、ゴールをこじ開けた。

互いに〝様子見″の前半を終えて後半に入ると一転、攻守を入れ替えつつ得点機を探り合う。そして72分、東京の至宝、16歳の久保建英が前田遼一に代わって2トップの一角として投入される。指揮官いわく「相手もだいぶ落ちて中盤が空いてきたので」と、ボールを持つことができる久保を起用した。

「間のところとか、中盤が時間が進むにつ入れて空いてくるので、そこをつかって攻めてくれ」と監督の意図を久保自身も理解していたが、決定機な仕事はできなかった。

J1の舞台、ましてアジア王者である浦和の守備陣の中では、持ち前の高いスキルを生かす前に潰されることもあり得た。だが、その才能を認めるチームメイトによって、まだ成長期にある久保の弱みは〝補完″されていると長谷川監督は言う。

「大人が一生懸命走るのは、周りの大人たちが彼(久保)の才能を認めているということ。髙萩にしても東にしても永井謙佑にしても、彼の才能を認めているからこそ、足りない部分を補っている。今日は建英らしいプレーはできませんでしたけど、1次キャンプからの成長ぶりは目を見張るものがありますので、期待をしていきたいなと思います」

指揮官は久保を、東京が勝利を目指すうえで必要なピースと考えている。

森保一五輪監督の評価

この試合を視察したU-23日本代表の森保一監督も久保のプレーについて、こんなコメントを残している。

「相手を見ながら、相手の嫌がることをプレーできる選手。シュートは決まりませんでしたけど、どんどんチャレンジして、ポジションを取っていけば、それは(所属)チームにとってもいいことですし、代表にとってもいいこと。若い選手の台頭はチームの底上げになりますから」

森保監督が指摘した場面は、後半アディショナルタイム。右サイドから切れ込み、シュートフェイントを入れてから左サイドの東にパス。そのリターンを受けて左足でシュートを放ったが、GK西川周作の正面をつき、キャッチされる。

「最初はボールを持とうと思ったんですけど、パスに切り替えて戻してくれたらいいなと。そこまではイメージどおりでした」

試合は結局、そのまま1-1で終了。FC東京と浦和は勝ち点1を分け合った。久保の目立ったシーンは、数えるほど。しかし、“ネクスト”を期待させる18分間だったことも確かだろう。

「あんまりボールに多く関与できなかったですし、次はもっと関与できるように」

勝ち点1を得て、新シーズンをスタートさせたFC東京。その中には、16歳の久保も重要な戦力として存在している。


取材◎佐藤 景 写真◎J.LEAGUE PHOTOS

This article is a sponsored article by
''.