混戦が予想された春場所は、横綱鶴竜の4回目の優勝で堅く収まりました。初場所は初日から10連勝のあと、4連敗で脱落した鶴竜ですが、春場所は12日目に初黒星を喫した後も連敗はせず、後続に2差をつけて14日目に優勝決定。千秋楽は髙安に取り直しの末、敗れましたが、横綱の責任を果たしました。

 鶴竜は場所前から調子がよかったわけではありません。白鵬、稀勢の里の両横綱が休場を表明し、鶴竜が休めば現役の3横綱が全員休場という不名誉な記録の危機でした。鶴竜は脱臼した右手薬指、小指の回復が遅れていたのですが、強行出場したのです。相撲内容は褒められたものではなく、引き技での勝利が多く、物言いがつく相撲も3番ありました。

 それでも優勝できたのは勝ち運があったからです。昨年秋場所で優勝した日馬富士も休みたいのに、先に3横綱が休場してしまい、仕方なく皆勤した結果の逆転優勝でした。今回も横綱の責任感で出場した鶴竜に、相撲の神様がご褒美をくれたのでしょう。

 大関の髙安は先場所同様に12勝でした。悲願の初優勝にあと一歩届きませんが、初日からの連敗、何よりも12日目に雑な相撲で千代丸に敗れた一番が痛かったです。地力は横綱に一番近い存在だと思うので、精神面での成長を望みたいです。

 初場所で優勝した栃ノ心は、場所直前に左足付け根を痛めるアクシデントがありましたが、よく健闘したと思います。10日目、豪栄道の立ち合い変化で3敗目を喫して優勝戦線脱落も、千秋楽に大きな10勝目を挙げて、5月は大関取りの場所となります。12勝なら確実、11勝なら相撲内容次第で昇進するのではないでしょうか。すでに大関の力は十分にあると思います。

 そして、人気力士の遠藤が東前頭筆頭で9勝し技能賞を獲得。来場所は新三役に昇進します。以前は三役昇進時に四股名をつけるという話もあったのですが、今さらという感じもしますので、このまま本名で土俵に上がるのでしょう。とにかく、役力士となった遠藤が夏場所の目玉の1つとなります。

 春場所中も土俵外の出来事で注目を浴びることになった相撲界ですが、そろそろ勘弁してほしいです。今、相撲は上位陣の力が拮抗しており、相撲内容や優勝争いの行方など非常に面白いと思います。是非、土俵上の闘いに注目してください。

文=山口亜土

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