■2018年3月31日 J1リーグ第5節
 川崎F 0-1 広島
 得点:(広)パトリック

広島が川崎Fとの首位攻防戦を制し、首位に浮上した。前半から全員守備で相手の猛攻をしのぐと、後半も集中力を維持。85分にはCKのこぼれ球をパトリックが詰めて、決勝点とした。一方、首位でこの一戦に臨んでいた川崎Fは再三の決定機を生かせなかった。終了間際には長谷川竜也が混戦からゴールを決めたかに思われたが、オフサイドの判定で取り消されるなど、不運に見舞われた。

理想とするGK像を追い求める

円熟味が増してきた35歳。広島の守護神はピンチが訪れても、慌てる素振りは一切見せない。どっしりと構え、機敏に動く。3試合連続で無失点に抑えた林卓人の顔には、充実感が漂っていた。

「ゼロが続いていることで、自信が深まっている」

立ち上がりの11分。J1歴代最多得点記録を持つ大久保嘉人の難しいシュートを片手ではじき出す。FWとGKの駆け引きは、コンマ数秒の世界に凝縮されている。

「ぎりぎりまで地面に足を付け、冷静に対応できた」(林)

林には、味方DFが大久保のファーサイドのシュートコースを消しながら、チェックに行く姿がはっきりと見えていた。FWの心理としては、DFが来る前にシュートを打ちたい--。まさに、その間合を読んでいた。

「あれはチームメイト(味方DF)のおかげ。あのタイミングだったから、嘉人も強いシュートが打てなかったと思う」

コースもニアサイドの狭いエリアに誘導しており、すべてがほぼ計算どおりだったと言っていい。33分には阿部浩之のダイビングヘッドを正面で受け止めた。混戦で敵と味方が入り混じるなか、ヘディングシュートを打たれた瞬間は、視野にも入っていなかったものの、阿部の動きは把握していた。

「反応できる状況だった。しっかり足を運んだことで、正面で受けることができた」

一見すると、ただのシュートがGKの正面を突いたように見えたかもしれない。その裏で、林は事前の準備にしていたのだ。

「自分が理想とするGK像を追い求めていきたい」

こだわるのは安定感。後ろにいるだけでチームメイトが安心するような門番を目指す姿勢は、ずっと変わっていない。国内外を問わずほかのGKも研究し、技術へのこだわりは人一倍強い。ストイックに体を管理する姿もプロフェッショナルそのもの。齢を重ねても成長するための努力を怠らない。

首位に立つ広島の最後尾には、頼れる大きな男がいる。

取材◎杉園昌之 写真◎J.LEAGUE PHOTOS

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