どう攻める!?
2017春夏甲子園
全75例を徹底分析!

今年から高校野球の主要公式戦で適用されるタイブレーク制度。延長13回以降、無死一、二塁からイニングがスタートする。そこで2017年春夏の甲子園全81試合にあったすべての無死一、二塁のシチュエーションを分析。成功例、失敗例の要因を掘り起こす。

得点率では強攻が優位
バント=67.5㌫
強攻=74.2㌫

 2017年の春夏の甲子園で行われた全81試合で、無死一、二塁のシチュエーションは75例存在した。イニングや点差状況、そのときの打順など、作戦を選択するために整理しておく情報は多岐にわたるが、サンプル数が十分でないこともあり、まずは無死一、二塁の状況から起こったことを統括的に見ていこう。

●得点別割合
 無死一、二塁からの攻撃の得点別の割合をまとめたものが表1。最も可能性が高い点数が1点(32.0㌫)で、0点(30.7㌫)、2点(22.7㌫)と続く。3点以上入る割合はいずれも10㌫以下で、合計しても14.7㌫だった。
 1点と0点の割合は拮抗しており、延長13回以降のタイブレークでは得点できるか否かは大きな違いとなりそうだ。割合から考えても最低でも1点を挙げることを視野に入れながら、2点を目指す攻撃をすることが目安となる。
 また、5点以上入っている5パターンはすべて1回表、または1回裏だった。これらは守備側のミスが大量点につながった例になる。立ち上がりのピンチに犠打野選となった例が2つ、バントヒットとなった例が1つ。三振、犠打失敗で走者を進めずにアウトを1つ得た2つの例でも、次打者に四死球を与えて満塁としたことが大量点につながっていく。春の2回戦、大阪桐蔭対静岡では1回表に大阪桐蔭が6点先行し、その裏に静岡が追いつく展開になった。
 次に、そこで実行された作戦別に得点の傾向を整理していく。

画像1: 得点率では強攻が優位 バント=67.5㌫ 強攻=74.2㌫

●バント選択時
 最も多く敢行された作戦はバントで40例あり、全体の53.3㌫(表2)。得点できたのは27例で、バントの作戦を取った場合の得点確率は67.5㌫となった。
 打者走者が生きた8例では、いずれも得点につながっている。バント安打で無死満塁にチャンスが広がったケースはそのうち4例。失策や野選といった守備のミスが起こったのも4例あった。3点以上の得点となったケースも3例(37.5㌫)あり、守備側にとってすれば、バントに対して1つもアウトカウントを増やせないことは、大量失点のリスクを高めることになる。
 アウトカウントが1つ増え、走者が進塁した22例はいずれもバントが成功し、一死二、三塁となったものだった。その後の得点に成功したのは14例で、バントを確実に成功させれば63.6㌫が得点につながったことになる。1点、もしくは2点が入るケースが13例(59.1㌫)と最も多く、打者走者が生きていないため当然、大量点にはつながりにくい。3点以上取れたのは1例のみで4.5㌫と、タイブレークで大量失点後に挽回を図るには、ただ送るだけでは確率は低い。さらに、一死二、三塁の得点パターンを失敗すれば無得点に終わる可能性が上がり、それが8例(36.4㌫)ある。走者を送った後の次の手の確立は大きなポイントに挙げられる。
 バントがフライとなったり、転がったものの三塁封殺となり、アウトカウントを増やしたのみで走者を送れなかったのは6例で、その後の得点率は50㌫だった。3点以上入っている2つの例にはいずれも失策か死球が絡んでいる。
 また、併殺でアウトカウントを2つ増やした4例でも得点率は50㌫。得点が入った2例は長打絡みか相手の四死球絡みだった。

画像2: 得点率では強攻が優位 バント=67.5㌫ 強攻=74.2㌫

●バント以外選択時
 表3はバント以外の作戦を取ったのは31ケースあり、ここには追い込まれてバントから強攻に転じたケースなども含んでいる。全体では41.3㌫。そのうち得点できたのは74.2㌫で、バントの67.5㌫よりも確率は高かった。
 打者がアウトにならず、走者もそれぞれ進塁したのは13例。結果的に1点止まりが7例、2点止まりが4例で、3点以上取れた例はなかった。得点率は84.6㌫。また無得点に終わった例も2つある。強攻を選択するチームの傾向として、走者が進んでもさらに強攻するケースが多く、三振や内野フライなどでアウトを浪費し、得点を重ねていない傾向が見える。
 アウトカウントを1つ増やし、走者が進塁した5ケースには、打者走者のゴロアウト、内野ゴロ二塁封殺、内野ゴロ失策があった。ほかにフライでの走者タッチアップ成功がこの例に当てはまる。そこから得点に至ったのは4例で得点率は80㌫と高く、3点以上取った2ケースには長打が絡んでいる。
 フライアウトや三塁併殺でアウトカウントを増やしたのみで進塁できなかった9例でも7例(77.8㌫)が得点に至った。3得点以上している3例にはいずれも四死球か失策に加えて長打が絡んでいる。
 併殺でアウトカウントを2つ増やした4例では75㌫が無得点で、得点した例でも1点にとどまっている。
 バントとバント以外の作戦別の得点確率ではバント以外が約7㌫上回ったが、ただ、3点以上の得点に至る可能性はバントで15㌫、強攻で16.1㌫と大差はない。バントの場合、それが安打になったり、守備のミスで打者走者が生きた場合に3点以上の得点が生まれる傾向にある。強攻で大量点を取っている例には長打や相手守備のミスが絡んでいる。

画像3: 得点率では強攻が優位 バント=67.5㌫ 強攻=74.2㌫

 さらに、牽制で二塁走者が刺された2つのケースではいずれも無得点。打席中に暴投で無死二、三塁、盗塁で無死一、三塁に走者が進んだケースではそれぞれ1点が加わっていた(表4)。

画像4: 得点率では強攻が優位 バント=67.5㌫ 強攻=74.2㌫

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