バッティングは
軸の確立を徹底

 今年も含め春は12回、夏は18回の全国大会出場を経験、1996年の夏の選手権大会では優勝も果たしている八王子シニア。創設は1978年と長い歴史を持ち、高木大成(元西武)ら4人のプロ選手も輩出している。

 チームを36年間指揮しているのが和田義盛監督だ。元はリトルのコーチを務めていたが、休止状態だったシニアを再始動するにあたり監督に就任し、現在に到る。当初は20人ほどのチームだったというが、現在では例年3学年で100人を超える大所帯となっている。

 チームが変わっていく中でも、監督就任時から変わらないモットーがある。
1つは「打ち勝つ野球」を追求する指導方針だ。練習の7割は打撃練習が占めている。特に冬季期間は5カ所バッティング、その横でロングティー、さらにグラウンド外でもネットを貼りトスバッティングを行うなど、1日1人1000スイングは行うことになる。

「甘い球はどんどん打っていくのがチームの共通認識です。ですので、打ち出すと大量点が入りますけど、逆に打球が強くダブルプレーになってしまうことも多くて、『なんでバントをしないの?』と周囲から言われることもあります。しかし、良い投手を打たなければ上位には行けないというのが私の考えです」(和田監督)

 フォームについて細かい点は指摘しないというが、軸を確立することだけは共通して徹底させているポイントだという。軸が確立すればそこが基準となり、タイミングをずらすことでインコース、アウトコースにも対応できるようになる。だからこそ、素振りやティー打撃など数をこなし、軸をしっかりと意識できるようにする必要がある。

画像: さまざまな場所で各々が打撃練習を行う

さまざまな場所で各々が打撃練習を行う

いくら勝っても
犠牲になる子どもがいては
意味がない

 もう1点、和田監督が貫き通していることがある。それはすべての選手が同じ練習を行うということだ。先述のとおり八王子シニアは3学年で100人を超える選手が所属しており、学年ごとに活動を分けているものの、やはり一人ひとりの練習量は制限される。複数箇所で同時に打撃練習をできるなどの工夫がなされているが、時には「人数を区切って練習をさせなければ強くなれない」と指摘を受けることもあるという。それでも和田監督は、技術力や体格の違いで練習内容や量を変えるような方針を絶対に取らない。

「中学野球で終わりなのではなく、むしろ高校野球からがスタートだと思います。それなのに中学の時点で裏方にまわるような練習をさせられていては、野球を嫌いになってしまうでしょう。いくら勝てたとしても、犠牲になっている子どもがいるのでは意味がない。練習がきついから野球をやめるというのは仕方がありませんが、練習をさせてもらえないから野球をあきらめるのではあまりにもかわいそうです」(和田監督)

 人数が多い分レギュラー争いは厳しいが、それで腐るような選手がいないのは、全選手に平等な練習機会が与えられているからだろう。また、中学時代に芽が出なくても、この時期にしっかりと基礎を学んでいるため高校や大学、社会人などで花開く選手も多い。

「今後は、もう一度全国制覇を果たしたいですね。全体的に中学硬式野球のレベルが上がっていて勝ち上がるのは難しいことだとは思いますが、これまでの指導方針を変えることなく優勝することが目標です」(和田監督)

 今春の全国大会では惜しくも1回戦敗退。それでも、全ての選手の未来につながる指導で夏は2度目の頂点を目指す。

画像: 八王子シニアを36年間指揮しているのが和田義盛監督

八王子シニアを36年間指揮しているのが和田義盛監督

画像: メーングラウンドのほかに1年生が中心となって使用しているサブグラウンドもある。下級生のころは結果にとらわれず基礎づくりに励む

メーングラウンドのほかに1年生が中心となって使用しているサブグラウンドもある。下級生のころは結果にとらわれず基礎づくりに励む

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