夏場所は11日目を終えて全勝が栃ノ心ただ1人。1敗で鶴竜、白鵬の両横綱が追う展開となりました。2敗力士はおらず、優勝争いは栃ノ心、鶴竜、白鵬に絞られたと言っていいでしょう。

※夏場所十日目、千代大龍を危なげなく寄り切って10戦全勝の栃ノ心
写真:月刊相撲

 大関取りが大目標だった栃ノ心ですが、11連勝で大関昇進は確実。日に日に相撲内容がよくなっており、2度目の優勝も夢ではありません。春場所は直前に股関節を痛めて心配されましたが、苦しみながらも10勝。地力は大関以上のものがあると感じました。左上手をガッチリと取れば、今一番強いのではないでしょうか。

 先場所優勝の鶴竜は、相変わらずうまい相撲で白星を重ねています。指の負傷があっても離れて相撲が取れるし、下半身に不安がなければ安定感は高いです。10日目の琴奨菊戦では立ち合いでいきなり変化して勝ちましたが、こういう相撲を取ると、その後崩れやすくなるので心配です。11日目の御嶽海戦もかなり危ない相撲でした。

 休場明けの白鵬は、右肩から当たるモデルチェンジした立ち合いで臨んでいますが、6日目の阿炎戦はこれが失敗。阿炎の長い手でのモロ手突きに左肩を当てることができず、圧力を伝えられず慌てて引いたところをつけ込まれました。少し油断があったのかもしれません。

 阿炎は上位初挑戦ですが、役力士との対戦を終えて5勝6敗。白鵬に土をつけたので、勝ち越せば殊勲賞が濃厚です。元気いっぱい思い切り楽しんで取っているようです。同じく上位初挑戦だった豊山は初日から9連敗し、10日目にようやく初白星を挙げました。相撲内容は悪くなく、善戦しているのに惜敗続きでした。今場所は勉強の場所。何が通じて何が通じなかったのか、今後の稽古に生かしてほしいです。みんな、こういう経験をして強くなっていくのです。

 優勝争いは全勝の栃ノ心を1差で両横綱が追うという面白い展開になりました。12日目に白鵬-栃ノ心戦が組まれます。本割で栃ノ心は白鵬に25戦全敗です。相四つの両者はがっぷり右四つに組んで、白鵬が栃ノ心の上手を切ってから攻めるというパターンで連勝してきましたが、今回はわかりません。13日目には鶴竜-栃ノ心の対戦が組まれると思われます。栃ノ心が両横綱を蹴散らして優勝となれば、年内に横綱昇進もあるかもしれません。目の離せない終盤戦となりそうです。

文=山口亜土

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