※坂井を抑え、自己ベストで優勝を飾り、喜びを爆発させる矢島
写真:小山真司/スイミング・マガジン

●競泳・ジャパンオープン3日目(5月26日/場所:東京辰巳国際水泳場)

矢島、藤森太が派遣Ⅱ突破で代表選出濃厚

 今日は前日と変わって、男子でハイレベルな争いが繰り広げられた。

 4月の日本選手権ですでに代表2名が決定、残るパンパシフィック選手権での代表3枠目の争いで白熱した展開となったのは、200mバタフライと200m個人メドレー。

 まず、200mバタフライは矢島優也(スウィン大宮/明治大)が序盤から落ち着いたレース運びを見せ、ラスト50mをトップで折り返すと、この種目のリオ五輪銀メダリストで矢島と代表入りを争った坂井聖人(セイコー)の追撃をかわし、1分54秒72の自己ベストで優勝。個人種目の代表3枠目の最低条件となる国際大会派遣標準記録の派遣Ⅱ(1分55秒55)を突破し、初の代表入りが濃厚となった。

「これまで大舞台で緊張して、前半からいって、ラスト50mで失速するレースが多かったが、今日は150mまで落ち着いて周りを見ながら泳いで、ラスト50mでスパートをかけられた」と快心のレースを振り返った。

 矢島のバタフライは、比類のない、身体を大きくうねらせながら推進する大きな泳ぎが特徴で、「中学のころから、これまでこの泳ぎでは速くなれないと批判も浴びてきたけど、この泳ぎで絶対に速くなろうと思ってやってきた。今、大学4年生で来年以降も競技を続けるか否かを決める意味でも大きな意味を持つレースだった」と、水泳人生をかけた決意で臨んだ一戦だったことを打ち明けた。

 一方、このレースで派遣Ⅱをクリアしたものの2位に終わった坂井は4年前のこの大会で初の代表入りを決めて以来、初めての代表落選に。「今は何が原因かわからない。練習は積めているのに、ラスト50m失速するので、イチから考え直したい」と何とも言えない心情を吐露した。

画像: 2年ぶりの代表復帰を確実にした藤森 写真:小山真司/スイミング・マガジン

2年ぶりの代表復帰を確実にした藤森
写真:小山真司/スイミング・マガジン

 200m個人メドレーでは、この種目リオ五輪4位入賞の藤森太将(木下グループ)が派遣Ⅱ(1分57秒98)を突破する1分57秒91で、萩野公介(日本/ブリヂストン)に次ぎ2位に入り、2年ぶりの国際大会代表復帰に大きく前進した。

 もっとも本人は「2月の時点ですでに(国際大会代表選考の第一基準で、派遣Ⅱよりも低い)標準記録を突破する力があったのに、4月の日本選手権では(2種目めの)背泳ぎで、練習でやったことのないような泳ぎで失敗したので…。今日は背泳ぎで落ち着いて泳げたので、ようやく、東京五輪で金メダルを獲得する目標のスタートラインに立った」と、冷静に自身の立ち位置を振り返りながら、前を向いた。

アジア大会前哨戦は大橋がキムを抑える

 女子200m個人メドレーは、昨年の世界選手権銀メダリストの大橋悠依(日本/イトマン東進)と今季の世界ランク1位のキム・ソヨン(韓国)が8月のアジア大会前哨戦とばかりのレースで接戦を繰り広げた。序盤はキムがリードを奪うも、大橋が3種目めの平泳ぎで逆転するとそのまま逃げ切った。

画像: 互いに健闘をたたえ合う大橋(左)とキム 写真:小山真司/スイミング・マガジン

互いに健闘をたたえ合う大橋(左)とキム
写真:小山真司/スイミング・マガジン

 女子800m自由形決勝は最後まで勝負の行方がわからない展開に。第一人者の森山幸美(日本体育大)と小堀倭加(湘南工大附高)がレース終盤にデッドヒートを展開。ラスト50mでは小堀が森山を逆転し、身体半分リードを奪い、勝利を収めたかに見えたが、ラスト20mを切ってから森山が再びギアアップ。最後はタッチの差で小堀を0秒05かわし、優勝を飾った。

 女子100m自由形では、池江璃花子(日本/ルネサンス亀戸)が日本新を出した初日の50mバタフライ、2日目の200m自由形に続き、地力の差を見せつけ今大会3冠。

 前日の200m自由形の疲れが残っていたという池江だが、「予選から身体が重かったけど、決勝は53秒台前半を出したいと思っていた。前半から積極的にいけたのがよかった。25秒95と日本記録を上回るペースでいった」と、現段階でできるベストのレースを展開したことに納得の様子だった。

 2位には、前日の200m自由形で800mフリーリレー代表入りに大きく前進した青木智美(あいおいニッセイ/ATSC.Y)、3位には同リレー代表内定済の五十嵐千尋(日本/T&G)が入った。

画像: 女子100m自由形の表彰式で笑顔を見せる(左から)青木、池江、五十嵐 写真:小山真司/スイミング・マガジン

女子100m自由形の表彰式で笑顔を見せる(左から)青木、池江、五十嵐
写真:小山真司/スイミング・マガジン

 代表内定者が出ていなかった女子200mバタフライでは、持田早智(ルネサンス幕張/日本大)が派遣Ⅱ(2分7秒90)を突破することができなかったが、2分8秒33の自己ベストで、日本選手権に続き優勝。代表入りについては、選考委員会の判断にゆだねることになった。

文◎牧野 豊

★3日目の優勝者(日本代表は/右に所属を併記)
女子800m自由形 森山幸美(日本体育大)8.33.03
女子50m背泳ぎ 諸貫瑛美(ミキハウス)28.18
男子50m背泳ぎ ウォン・ヨンジュン(韓国)25.25
女子100m自由形 池江璃花子(日本/ルネサンス亀戸)53.26
男子400m自由形 江原騎士(日本/自衛隊)3.48.32
女子200mバタフライ 持田早智(ルネサンス幕張/日本大)2.08.33
男子200mバタフライ 矢島優也(スウィン大宮/明治大)1.54.72
女子200m個人メドレー 大橋悠依(日本/イトマン東進)2.09.17
男子200m個人メドレー 萩野公介(日本/ブリヂストン)1.57.31 藤森派遣Ⅱを突破

【明日のテレビ放送予定】
テレビ朝日CS放送 テレ朝チャンネル2
午後4:30~7:00(LIVE)

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