昨年冬に、高反発が特徴のDNAアンプを発表し、革新的なミッドソールを提案しているブルックスから新しいコンセプトのミッドソールが登場する。グリセリン16とゴースト11 に搭載されたDNAロフトは、ラバーを配合しているのでクッション性が高く、軽量でありながら、耐久性も兼ね備えている。この新しいテクノロジーは、どのような走りをもたらしてくれるのだろうか。

用途に合ったシューズを選ぼう

 人を評価するのと同じように、ランニングシューズを評価するのは難しい。いいシューズと悪いシューズがあるのではなく、合うシューズと合わないシューズがある。合うか合わないかを縦軸、使用用途を横軸とした座標のなかにシューズを位置づけると、そのシューズの特徴が見えてくる。

 合うか合わないかは、ニュートラルシューズであるか、コントロールシューズであるかが1つの要素だ。一般的に着地時に足が内側に倒れ込むオーバープロネーション(過回内)のランナーはコントロールタイプのシューズがいいと言われる。しかし、なかにはオーバープロネーションだから、コントロールタイプが合わないというランナーもいる。

 シューズのラスト(成型するときの木型)も、合うか合わないかを左右する。足にフィットしなければ、ソールの性能を発揮することができない。

 使用用途はジョギングで使うのか、レースで使うのか。レースは5㎞などの短いレースか、フルマラソンのような長いレースかも考慮する。スピードを上げて走るのか、ゆっくり長い時間走るのか。要するに走るペースと距離によって適切なシューズは変わる。

ラバーを配合することで、クッション性と耐久性を両立させた

 DNAロフトを搭載したゴースト11とグリセリン16の走行レポートを書く前に、DNAロフトについて書いておこう。

画像: クッション性に着目して開発されたDNAロフト。従来のブルックスDNAよりも30%も柔らかくなっている。

クッション性に着目して開発されたDNAロフト。従来のブルックスDNAよりも30%も柔らかくなっている。

 DNAロフトはハイクッションソールというだけあって柔らかい。これまでのブルックスDNAに比べて30%も柔らなくなっている。また、従来のミッドソール素材であるEVA(ビニール・エチレン・アセテート)は気泡がつぶれやすかったのに対して、EVAとラバーをブレンドしたDNAロフトは、気泡がつぶれにくい。つぶれにくい気泡は空気を多く含んでいるので軽くすることができるうえに、へたりにくくなった。

画像: ラバーがブレンドされたフォーム(発泡材)の気泡は柔らかいだけでなく、耐久性も高くなっている

ラバーがブレンドされたフォーム(発泡材)の気泡は柔らかいだけでなく、耐久性も高くなっている

 この春に登場したシューズ、レビテイトに搭載されている高反発ソールのDNAアンプと比べるとその違いが明確になる。左足にゴースト11、右足にレビテイトを履いて走ってみた。違いを確認するにはこの方法が一番だ。まず感じたのは、ゴーストの着地安定性のよさ。スペックからふわふわとした接地感だろうと想像していたがそうではなかった。DNAロフトはグラつきを全く感じない。一方、DNAアンプを搭載したレビテイトの右足は、反発力を優先させている分、DNAロフトに比べると着地安定性を犠牲にしているように感じる。これこそがDNAロフトとDNAアンプの違いだ。

画像: 奥がレビテイト2、手前がゴースト11。DNAアンプとDNAロフトの違いを実感した

奥がレビテイト2、手前がゴースト11。DNAアンプとDNAロフトの違いを実感した

 同じDNAロフトを搭載したゴースト11とグリセリン16の違いは何か。左足にゴースト11、右足にグリセリン16を履いて走ってみた。ともに27㎝で300gと重量は同じ、ヒールの高さもほぼ同じだが、オフセット(踵部と前足部の高さの差)は、ゴースト11が12㎜なのに対して、グリセリンが10㎜。わずかだがグリセリンのつま先が上がっているように感じる。

画像: 奥がグリセリン16、手前がゴースト11。足を入れた感覚はほぼ同じだが、走り出すとDNAロフトの使用量の違いを実感できる

奥がグリセリン16、手前がゴースト11。足を入れた感覚はほぼ同じだが、走り出すとDNAロフトの使用量の違いを実感できる

 走り出すとすぐにソールの違いが実感できた。左足のゴースト11のほうがカチッとした接地感なのに対して、グリセリン16の接地感はフワッとしている。この違いは、ハイクッション素材のDNAロフトの使用量による。グリセリン16がつま先から踵までフルレングスでDNAロフトを搭載しているのに対して、ゴースト11は踵の外側だけにDNAロフトを使用し、踵の内側と前足部にはブルックスDNAを配置しているからだ。

画像: ゴースト11は、DNAロフトが踵の一部に搭載されている。

ゴースト11は、DNAロフトが踵の一部に搭載されている。

画像: グリセリン16は、DNAロフトがフルレングスで搭載されている。

グリセリン16は、DNAロフトがフルレングスで搭載されている。

 接地感は合う合わないというレベルの話ではない。好みの問題だ。柔らかい接地感が好きならグリセリン16、しっかりとした接地感が好みならゴースト11だ。2㎜のオフセットの違いよりも、ソールの柔らかさの違いを如実に実感できる。

 ともにアッパーのフィット感や踵部のホールド感は申し分ない。やさしく足を包み込む感覚が、柔らかいソールとの相性の良さとマッチしている。

 ランニングシューズの軽量化の進んでいる現在、27cmで300gという重量はクッショニングシューズでは特別に軽いわけではない。ただ、フィット感がいいために300gより軽く感じる。ゴースト11もグリセリン16も、走行安定性の高さが安心感をもたらしてくれる。

画像: ゴースト11はグリセリン16に比べるとソリッドな接地感。ちょっとスピードを上げて走ると気持ちいい

ゴースト11はグリセリン16に比べるとソリッドな接地感。ちょっとスピードを上げて走ると気持ちいい

 2つのシューズともに、レースから普段のジョギングまで幅広く使えるシューズだ。しかし、あえて用途を分けるとしたら、硬めのソールのゴースト11はスピードが出しやすいのでペースを上げて走るときに、柔らかめのソールのグリセリン16は、ゆっくり長い時間走るLSDやウルトラマラソンなどに適している。

 

画像: カラーバリエーションが豊富なゴースト11。ワイドモデルも充実している

カラーバリエーションが豊富なゴースト11。ワイドモデルも充実している

画像: 洗練されたデザインのグリセリン16。高級車のような走り心地が快適。

洗練されたデザインのグリセリン16。高級車のような走り心地が快適。

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