※大関昇進伝達式後、春日野部屋若い衆の騎馬に乗る新大関栃ノ心
写真:月刊相撲

 大相撲名古屋場所が7月8日から愛知県体育館(ドルフィンズ・アリーナ)で開幕します。注目は新大関の栃ノ心。大関昇進伝達式後は母国・ジョージアに1週間ほど里帰りし、大統領に面会するなど、お祝いでゆっくりできなかったそうです。再来日後もイベントなどの出演依頼も多く、夏場所の終盤に痛めた右手首のケガもあって、本格的に稽古を始めたのは、名古屋場所の番付発表後でした。安定感の出てきた栃ノ心ですが、昇進疲れもあり、割引が必要ではないでしょうか。ただ、ここ数場所の安定感は抜群で、優勝争いには絡んでくると思います。

 夏場所は14日目の栃ノ心との相星決戦に勝ち、初の連覇で5回目の優勝を飾ったのが鶴竜でした。10日目の琴奨菊戦で立ち合い変化を見せたときは、このまま相撲が崩れてしまうかと思われましたが、しっかり反省して終盤はいい相撲を見せてくれました。昨年後半は引退危機でしたが、今年になって目を見張る充実ぶりです。

 2場所連続の休場明けで夏場所に臨んだ白鵬は、批判された立ち合いを改めて終盤まで優勝争いに絡みました。夏場所前は決して順調な臨戦過程ではありませんでしたが、名古屋場所前は十分に稽古をこなし、万全の状態で出場できそうです。今年はまだ優勝がない白鵬は、4月に父・ムンフバトさんが亡くなり、亡き父に優勝の報告がしたいところです。また、前人未到の幕内1000勝にも残り17勝と迫っており、これもモチベーションとなっています。

 ここまで途中休場を含め7場所連続休場中の稀勢の里は、名古屋場所も出場できる状態にないと見ています。番付発表後は意欲的に出稽古を行っていますが、急仕上げの感は否めません。6月は巡業もなく、稽古を積むには適さないので、名古屋は休場して8月の夏巡業で鍛えて秋場所で進退を懸けるのがいいと思います。横綱のプライドを捨てて、白鵬、栃ノ心に毎日稽古をつけてもらって砂まみれになる。そこまでやってダメなら、本人もファンも納得するでしょう。もちろん、個人的には復活を願っていますが、困難な道のりなのは間違いありません。

 先場所休場して名古屋はカド番となる髙安と豪栄道の両大関は、ケガも癒えて順調に稽古をこなしています。勝ち越しは何とかなりそうですが、優勝を争うまでは難しいでしょう。

 優勝争いは白鵬を中心に展開していくと思います。対抗は鶴竜で、優勝した場所でも前半戦で危ない相撲があるので、これをいかに拾っていくかがカギになるでしょう。新大関の栃ノ心は昇進疲れが心配ですが、地力は両横綱に引けはとりません。この3人の争いになる公算が高いです。

 若手では次期大関候補の御嶽海、逸ノ城の両関脇が殻を破って大勝ちできるのかも注目です。三役を維持する力はついてきたので、欲を出して大関を狙ってほしいものです。

文=山口亜土

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