マラソンでひと汗かいたあとには、年末の忘年会がてら、仲間たちとわいわいがやがや、おいしい料理の数々に舌つづみを打つのがいい。ポルトガル文化、中国文化などの多様な文化を内包したマカオ独特の食文化に魅了されることは間違いない。

取材・文・写真=高橋幸司(本誌編集長) 協力=マカオ政府観光局、マカオ航空

マカオなのに〝アフリカン〟

 マカオ国際空港からリゾート地区のコタイまで車で約10分、半島南部の街の中心部までも約15分で着いてしまうほどのアクセスの良さ。逆に言えば、それほどの〝小さい街〟に、450年以上の歴史で育まれたマカオ独特の「食文化」がぎゅっと凝縮されている。昨年10月、マカオは「ユネスコ創造都市ネットワーク」の食文化部門で認定都市となった。

 多様なマカオの食文化の象徴が、ポルトガルと中国(広東)の調理法が合わさった「マカオ料理」。その代表格が「アフリカンチキン」である。多くの香辛料とココナッツを使ったソースを鶏肉に絡ませ一晩漬け込み、じっくり焼き上げた料理だ。

 なぜ、マカオなのに〝アフリカン〟? その答えは、ポルトガル人たちがたどってきた航路をみれば納得がいく。15世紀後半にアフリカ大陸の最南端、喜望峰を回り、モザンビークを経てインド・ゴアへ。さらにマラッカ海峡を越えて16世紀序盤にマカオへ到達。1557年に当時の明朝から居住権を獲得した。

 アフリカで食したグリルチキンに、インドで得た香辛料、そしてマラッカで得たココナッツ――。それらが広東の調理法と合わさって生まれたのが「アフリカンチキン」なのである。スパイシーながらも柔らかで奥深い風味のソースは、各料理店によってオリジナルのレシピがあるという。まさに、大航海時代の歴史を凝縮した一皿といえよう。

 マカオで人気のスイーツといえば、「エッグタルト」を忘れてはならない。世界的に有名なこのお菓子は、ポルトガルの「パステル・デ・ナタ」という伝統的菓子が原型で、1989年、コロアン島の漁村にイギリス人のアンドリュー・ストウ氏によって開店された「ロード・ストウズ・ベーカリー」がブームの火付け役となった。この店は卵本来の甘みと濃厚さを生かした味わいが特長。1日に2~3万個も売れるという人気商品だ。

画像: マカオで人気のスイーツといえば「エッグタルト」。その本家ともいえる店、南部コロアン地区にあるロード・ストウズ・ベーカリー(❶)のエッグタルトは、自然の卵の風味を生かした濃厚な味わいが特長だ 写真:高橋幸司

マカオで人気のスイーツといえば「エッグタルト」。その本家ともいえる店、南部コロアン地区にあるロード・ストウズ・ベーカリー(❶)のエッグタルトは、自然の卵の風味を生かした濃厚な味わいが特長だ 写真:高橋幸司

画像: この地区はマカオの中でも昔ながらの漁村の風景が残り、ゆったりとした時間が流れる場所  写真:高橋幸司

この地区はマカオの中でも昔ながらの漁村の風景が残り、ゆったりとした時間が流れる場所  写真:高橋幸司

画像: 色鮮やかな建物や道も目を楽しませてくれ、散策には最適だ 写真:高橋幸司

色鮮やかな建物や道も目を楽しませてくれ、散策には最適だ 写真:高橋幸司

 来航者の母国・ポルトガルの料理と、来航者を受け入れた中国の料理と、東西の美味を一挙に味わえるのもマカオの魅力だ。魚介類を中心にシンプルな味付けのポルトガル料理は、まさに日本人好み。オリーブオイルに漬けたイワシなどのポルトガル産缶詰は、色とりどりのパッケージで土産物にも最適だ。中国料理は隣の広東だけでなく、北京・上海・四川など、あらゆる地域のものを味わえる。広東料理は、シャキッとした歯ごたえと、滑らかな舌触りが特長。繊細な装飾で見た目も楽しませてくれるのは、さすがは中国だ。

 数千室規模の巨大なホテルが建ち並ぶ現在のマカオ。そのいずれもが特に力を入れているのが「食」だという。多くのホテルが、ミシュランで星を獲得しているレストランを有し、また、世界的なシェフを招へいして味を競い合っているのだ。かつてはカジノの印象が強かったが、これからは「食のマカオ」として注目されていくことだろう。

画像: マカオなのに〝アフリカン〟

マカオで楽しめる3大料理

マカオ料理 COMIDA MACAENSE

画像1: マカオ料理 COMIDA MACAENSE
画像2: マカオ料理 COMIDA MACAENSE
画像3: マカオ料理 COMIDA MACAENSE

百花繚乱! コタイ地区のリゾート群

コタイ地区には、多くの統合型リゾートホテルが建設されており、それぞれの建物が独創的な造り。夜はきらびやかなライトアップで、まるで近未来都市のよう。趣向を凝らしたアピールポイントで宿泊者をもてなしてくれる。その一部を紹介しよう。

画像: 百花繚乱! コタイ地区のリゾート群

MGMコタイ(MGM Cotai)

マカオ半島の「MGMマカオ」に続き、今年2月に開業したMGMブランド2軒目のホテル。外観は宝石箱をイメージ。館内には世界の風景を映し出す巨大なLEDスクリーンや、清朝時代のじゅうたんなど300点以上の芸術作品が目を楽しませてくれる。
Avenida da Nave Desportiva, Cotai, Macau

画像: MGMコタイ(MGM Cotai)

ウィン・パレス(Wynn Palace)

マカオ半島にある同系列の「ウィン・マカオ」と同様、ホテル前では豪快な噴水ショーが定期的に行われており、さらにここでは、その周囲をスカイキャブで巡ることができるというエンターテインメント性抜群のリゾート。花の香る館内もまるで宮殿のよう。
Avenida da Nave Desportiva, Cotai, Macau

画像: ウィン・パレス(Wynn Palace)

モーフィアス(Morpheus-City of Dreams)

ユニークな形状の建物は、新国立競技場の設計の最初の設計案を手掛けた故ザハ・ハディド氏によるデザイン。マカロンで有名なピエール・エルメとのコラボで誕生したラウンジ(写真下)や、フレンチの巨匠アラン・デュカスとのコラボによるレストラン・バーも。
Estrada do Istmo, Cotai, Macau

マカオ観光MEMO

 マカオでは通貨パタカと同等のレートで香港ドルも使用することが可能。両替所は各ホテルに併設されているカジノに必ずある。現金で買い物をすると、つり銭はパタカと香港ドルが交じってくることもあるが、パタカは帰国時に日本円に両替できないため、なるべくパタカを現地で先に使ったほうがよい。

 マカオ半島部は細い路地が多いが、各道には必ず中国語とポルトガル語で道の名前が併記された白タイルのプレートがあり(写真)、また、世界遺産などの建物の方向を示す緑色の道標が至るところに据えられているので安心。

画像: マカオ観光MEMO

 路線バスは一律6.0パタカ。現地のセブンイレブンなどで売られている、ショッピングにも使える「マカオ・パス(澳門通)」というICカードを買えば支払いも便利だ。130パタカ(カード代30パタカ、最低チャージ100パタカ)で買うことができる。ちなみに、路線バスは手を挙げないと止まってくれないので注意。

 マカオは、とにかくあらゆる場所へのアクセスが良い。マカオ半島の北端、中国との境から。世界遺産群のある半島南部まで歩いてみても、1時間ほどしかかからない。マラソンのあとには、ぜひ各地を歩いて散策し、東西・過去未来の入り交じった、この街独特の魅力を体感してほしい。

マカオ国際マラソンの情報はこちら

マカオの情報はマカオ政府観光局のHPで

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