「自分たちは勢いづいたら強い」

 眉間にしわを寄せながらチームメイトを叱咤する姿には“伝統校の守護神”の貫録がある。

「自分は一番後ろの選手なので、チームの土台みたいな存在。土台がしっかりしないと、その上もうまくいかない」と、チームを最後尾で支えている。

 ただ、新チームが始動してからは、歯がゆい思いを抱いていた。「新チームになってからはずっと足踏み状態」と言うほど、結果がついてこなかった。九州地方の新人戦にあたる『九州高等学校(U−17)大会』では、決勝で大津(熊本)の前に「何もできなかった」と完敗。初タイトルを逃すと、続く『サニックス杯国際ユース大会』は、予選リーグで1ゴールも奪えないなど、16チーム中11位に終わり、「決定力、得点力が問題かな」と、反省した。

「今年のチームは、ウォーミングアップのときから雰囲気の悪いときが多い。GKとフィールドプレーヤーは別々にアップするのですが、変な壁みたいなものができている感じもする。それを壊したいな、とは思っていて…」と、険しい表情を浮かべていた。

 そのため、4月から始まった高円宮杯プレミアリーグWESTでは、「まずは残留することが目標」と、足元を見つめる。「プリンスリーグ降格は絶対に許されない」と、覚悟を決める。

「東福岡は、中学生のとき、最初にスカウトしてもらったところ。行きたいな、と思っていた」と、入学を決めたきっかけを明かす。さらに、「2冠を取った代(2015年度にインターハイと高校選手権で優勝)のキャプテンだった中村健人選手(現明治大)が、小学生時代のチームの先輩で、ずっと『あの人みたいになりたい』と思っている」と、憧れの先輩の活躍も、門を叩くきっかけとなったようだ。

 地元の大分県から越境し、全国屈指の強豪校に入っても、その歩みは順調だ。1年時からAチームに入り、プレミアWEST第17節・大分U−18戦(○2−1)ではフル出場。勝利に貢献した。2年時は定位置をつかみ、背番号14をつけてゴールを守り続けた。

「年々部員の数も増えて、競争率も高いなかで、1年生のときからうまくいきすぎている。そのぶん、逆にこれから何かすごく不吉なことが起きそうで怖いですね(笑)」と、冗談交じりに話すが、それほど順風満帆にステップアップしてきたことがうかがえる。

 だからこそ、3年生となり、高校生活で初めて味わう苦境を打破するため、試行錯誤を繰り返した。
「まず、自分自身のモチベーションを確実に上げられるような方法を考えていきたい。そして、チーム全体でも上げていきたい。自分たちは勢いづいたら強いと思うので、そのあたりをもっとうまく活用できたらな、と思っている」と、打開策を模索した。

「これからは上がっていくだけ」
 そう力強く宣言するたくましき守護神が“赤い彗星”を牽引する。
 
取材◎小林康幸
 

松田 亮[GK/東福岡/3年]
まつだ・りょう/2000年8月22日生まれ、FC佐伯 S-play・MINAMI出身。高い身体能力とセービング技術を持ち、2年時から東福岡のゴールマウスを守る守護神。186cm、77kg

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