※女子背泳ぎでは7年ぶりに個人2種目での代表権を獲得した酒井
写真◎小山真司/スイミング・マガジン 

 パンパシフィック選手権では、ティーンエイジャーの活躍にも注目だ。
今回の日本代表の10代選手は8人(男子1、女子7)。そのうちのひとりが、女子100、200m背泳ぎで代表入りした酒井夏海(スウィン南越谷)である。6月に17歳になったばかりの代表最年少だ。

 小学生のころから学童新記録を樹立するなど、その才能は高く評価されてきた。2016年、中学3年のときにはリオ五輪にメドレーリレー代表として出場も果たしている。昨シーズンは、個人枠で狙った世界選手権代表入りを逃したものの、その悔しさを引きずることなく、8月末の世界ジュニア選手権で自己ベストを連発。リオ五輪出場→代表落選という落差の激しい日々を乗り越え、今年、個人枠での初めての代表権獲得へとつなげたのは見事だった。しかも、背泳ぎ2種目で代表入りしたのは2011年の寺川綾、酒井志穗以来、7年ぶりのこと。高校2年の少女が、日本女子背泳ぎの新時代の扉をこじ開けたと言ってもいいだろう。

 身長175cm。1回のストロークで進む距離の長い、いわゆる“ストローク長の長い泳ぎ”ができる選手である。高校生になってから筋力アップに励み、最近はそこに力強さも加わった。しかし、酒井が素晴らしいのは、パワーアップはしているが、ふんわりとやわらかく、軽やかなフォームがそのままであることだ。すらりとした身体がその印象を強くするのかもしれないが、いかにもほど良い力加減のように見える。だから、泳いでいるのがとても気持ち良さそうに見える。

 もちろん、本人は懸命に腕を回してキックを打って進んでいるし、「レース後半になるとキツくて、キツくて、イヤだ、イヤだと思いながら泳いでいた」こともある。しかし、見た目にはそんなことを感じさせない涼やかさだ。だからぜひ、会場で、もしくはテレビ中継で酒井の泳ぎを観てほしい。あぁ、なるほどたしかに軽やか、気持ち良さそうに進んでる――そう感じていただけると思う。

 その軽快な泳ぎで酒井が今回目指すのは、100、200mともにメダルを獲得することだ。タイムについてはどちらも高校新記録樹立は実現させたい(現在の高校記録は、100mは酒井志穗の59秒44、200mは酒井夏海自身が4月の日本選手権でマークした2分8秒28)。レース内容について、特に本人が気をつけて臨みたいと話していたのは、「2種目ともにターン後のバサロキックを6回は打つこと」。そして、「ラスト15mの失速を抑えること」。
 バサロキックは水中動作のため見えにくいが(水中カメラで映ればラッキー!)、ラスト15mは目視できる。フィニッシュまでスピードを落とすことなく泳ぎきることができるか。持久力のぎりぎりに挑戦する姿を見せてほしいところ。

 100mでは、先月、58秒00の世界新記録を樹立したキャスリーン・ベイカー(米国)を筆頭に、昨年の世界選手権100m優勝者で前世界記録保持者のカイリー・マス(カナダ)、同200m優勝などの実績を持つベテラン、エミリー・シーボーム(豪州)らトップスイマーとどこまで戦えるかも見どころだ。

文◎佐藤温夏/スイミング・マガジン

※アリーナはパンパシフィック選手権2018のゴールドパートナーです。

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