※世界ソフトの解説を務める山根佐由里さん
写真◎榎本郁也

 8月2日(木)から12日(日)まで、千葉県で開催されている『第16回世界女子ソフトボール選手権』。ソフトボール・マガジンWEBでは、テレビ東京で解説を担当する山根佐由里さん(元日本代表)に、各試合を振り返っていただく。本日は第6戦のカナダ戦です。

ポイント(1)上野がカナダ打線を完封

 雨でマウンドがぬかるむ中、先発の上野由岐子投手が初回に無死満塁のピンチを招く嫌なスタートとなりました。しかし、中断(29分間)があったことで、逆に良い切り替えになったようです。

 一死満塁からの再開でしたが、そこはさすが上野選手。連続三振で押さえました。ここというところでしっかり三振を取ってくれるので、まさしくエースですね。中断以降は完全に上野選手のペースで、カナダ打線を寄せ付けませんでした。

 2回以降は連打もありませんでしたし、2回にランナーを出してもゲッツーを取ったり、無駄なランナーを出していなかったので、日本の流れのまま試合を進めることができました。

 6回には、この試合の最速となる115キロをマーク。緊迫した試合でもどんどん調子を上げていくのは、これまで多くの経験と、人一倍行っている練習のたまものでしょう。

ポイント(2)変化球に苦戦も足と敵失絡めて2得点

 ジェナ・カイラ投手のチェンジアップは、手元でスコンと落ちるのでやっかいなボールでしたね。2016年の世界選手権には出ていませんが、14年大会はエース級で活躍していたピッチャー。今大会で復帰してきて、日本打線も久々の対戦なので苦戦したようです。コントロールも良かったですね。

 2回まで無失点に抑え込まれましたが3回、カナダベンチが早めの継投策に出ました。しかし、河野美里選手が中前打で出塁し、山田恵里選手の打席途中でまたカイラ投手をマウンドへ。カナダチームの必死さが伝わる継投でした。この回、その河野選手の中前打を足場に、足を絡めて二死二・三塁のチャンスをつくり、敵失で2点を先制しました。

 日本打線は苦戦しましたが、ピッチャーがドロップ系だったこと、チェンジアップが多いことに加えて、グラウンドも緩かったので、どんどん足を使っていました。それがいい方向にいきましたね。

カナダ戦まとめ

 中断後は落ち着いたゲーム展開でしたが、2回にカナダが動いたところ(継投)で試合が動きました。二死二・三塁で山崎早紀選手がセカンドに打ち返しましたが、雨で足場が緩んでいたからか悪送球を生みました。このとき、山崎選手はファーストにヘッドスライディング。絶対にセーフになるんだという山崎選手の必死さも、相手のエラーを誘ったのだと思います。

 そして、その前に河野選手が打って、市口侑果選手が死球で出塁し一・三塁のチャンスをつくりましたが、その直後に市口選手が二塁に盗塁していたのが大きかった。あそこ1点ではなく、2点入れられたのが良かったと思います。

 良い投手がそろっているカナダから、その後は追加点を奪うことができませんでしたが、その中で5回に河野選手、6回に藤田倭選手が打ち、ノーヒットで終わらなかったことは次のオーストラリア戦いにつながると思います。結果は2-0。エラーでもらった点ですが、しっかりと守り勝った良い試合だったと思います。

今夜のオーストラリア戦の見どころ!

 オーストラリアは、練習試合や国際大会で数多く戦ってきたチームです。日本リーグを経験している投手もいて、強打者のステイシー・ポーター選手も日本で長くプレーしている選手。お互いを知った中での戦いになるので、面白い試合になりそうです。

 私自身、日本代表時代に感じたことですが、オーストラリアはここというときに目の色が変わるチーム。すさまじい気迫で向かってきます。そして、次の試合は相手にとっても日本にとっても予選リーグの最終戦で負けられない試合です。カナダ戦は相手のエラーで点をもらいましたが、オーストラリア戦はどんどん攻めて、しっかり守りながら勝つという試合が見られることを期待しています。

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