くも膜下出血と未破裂動脈瘤

脳卒中は日本人の死因の第3位です。脳卒中は「脳の血管が詰まったり、破れたりして、いろいろな脳の症状が現れるすべての状態」のことであり、大きく分けて、脳の動脈が詰まるタイプ(脳梗塞)と、脳の動脈が破れるタイプ(脳出血、くも膜下出血)の2つのタイプがあります。
脳の動脈が破れるタイプのうち、「くも膜下出血」は、脳動脈瘤(脳動脈にできたコブ)の破裂によって起こります。

写真:脳の手術は手術用顕微鏡を用いて行われる
写真提供:坪井俊之

昨年、DJ KOOさんも脳動脈瘤を手術

脳動脈瘤といえば、昨年、TRFのDJ KOOさんが、テレビ番組の企画で受けた脳ドック検査によって、未破裂の「脳動脈瘤」があることがわかり、番組に出演された「匠の手」をもつ脳神経外科医・上山博康先生のアドバイスによって、札幌禎心会病院にて手術を受けたことが知られています。

脳動脈瘤は成人の100人に1~2人はもっているといわれています。小さいからといって破裂しないわけではなく、また大きさからはいつ破裂するのかはわかりません。運よく破裂せずに一生を過ごすことができるかもしれせんし、いま破裂してくも膜下出血で死んでしまってもおかしくありません。

そのため未破裂動脈瘤が発見されると、破裂を防ぐために外科的手術が勧められます。
外科的手術には、クリッピング術と、コイル塞栓術があります。
クリッピング術は、頭の骨の一部を切り取って窓を作り、その窓を通して動脈瘤に金属製の洗濯バサミのようなクリップをはさみ、動脈瘤への血流をとめて、破裂を防ぐ開頭手術です。
コイル塞栓術は、カテーテルを挿入して、脳の血管の内側からコイルという細い金属の糸を動脈瘤に詰める血管内治療です。

画像: 写真;中央で丸く膨らんでいる部分が未破裂動脈瘤。先端部分は血管壁が非常に薄く、中の血流が透けて赤く見える。 写真提供:坪井俊之

写真;中央で丸く膨らんでいる部分が未破裂動脈瘤。先端部分は血管壁が非常に薄く、中の血流が透けて赤く見える。
写真提供:坪井俊之

クリッピング術にも、コイル塞栓術にも、それぞれ特徴がありますが、開頭手術によるクリッピング術は、コイル塞栓術に比べて歴史のある治療法であり、手術用顕微鏡を用いて、肉眼で脳動脈瘤をしっかり確認しながら、専用のクリップで動脈瘤への血流を止めるので、より確実に破裂を防ぐ方法といえます。

けんいち16号では、脳神経外科医・上山博康先生の門下生であり、上山先生が勤める札幌禎心会病院の脳神経外科で医局長を務められた経歴をもつ、五日市記念病院の坪井俊之先生に、くも膜下出血を予防する未破裂動脈瘤のクリッピング術について、実際の手術の流れを写真とともに詳しくご紹介いただきました。坪井先生も匠の手をもつ脳神経外科医です。匠の考え方、手術の様子がよくわかる記事です。

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