脳梗塞と頸動脈狭窄症

脳卒中のうちでもっとも発症数が多いのが、脳の血管がつまる脳梗塞です。
脳卒中のうちの約75%は脳梗塞です。
スポーツ界では、巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄さん、サッカー指導者のイビチャ・オシムさん、芸能界ではタレントの磯野記理子さんや、今年お亡くなりになった西城秀樹さんなど、脳梗塞を経験した方は有名人にも多く、軽症でで後遺症がない方もいれば、後遺症が残った方、何度も発症される方、命を落とされる方もいます。

写真:脳の手術は手術用顕微鏡を用いて行われる
写真提供:坪井俊之

脳梗塞が起こる原因はいくつかありますが、原因の1つに頚動脈狭窄症があります。
頚動脈は、あごの付け根あたりを流れる比較的大きな血管であり、途中で脳に血液を送る血管(内頚動脈)と顔に血液を送る血管(外頚動脈)に分岐しています。
この分岐する部分は動脈硬化が起こりやすく、動脈硬化が生じると、内頚動脈が狭くなって、脳にいく血液の量が減ったり、内頚動脈の内側の壁に付着したプラークがはがれて流れ出し、先の血管で血栓となって脳の血管を詰まらせたりして、脳梗塞を引き起こします。これが頚動脈狭窄症です。

画像: 動脈硬化を起こした血管は、内膜が肥厚し、血管の内壁にはプラークが付着している。写真のピンセットでつまんでいる白いものは、内頚動脈から取り出した動脈硬化を起こした血管の内膜と中膜。これが動脈硬化の実態である。写真提供:坪井俊之

動脈硬化を起こした血管は、内膜が肥厚し、血管の内壁にはプラークが付着している。写真のピンセットでつまんでいる白いものは、内頚動脈から取り出した動脈硬化を起こした血管の内膜と中膜。これが動脈硬化の実態である。写真提供:坪井俊之

頚動脈狭窄症の治療の1つに「頚動脈内膜剥離術」

頚動脈狭窄症が発見されると、脳梗塞を予防するために治療を行います。治療法には、薬による治療と、外科的治療による血行再建術があり、頚動脈内膜剥離術は、外科的治療の1つです。

頚動脈内膜剥離術では、頚動脈を切開し、動脈硬化を起こして肥厚した内膜を中膜ともに取り出していきます。動脈硬化を起こしている部分は、蚕の繭のような硬い筒状のものが、血管内にこびりついている状態です。この部分を取り除く手術です。
内頚動脈の狭窄を確実に解消できるとともに、この部分のプラークが遊離して血栓を引き起こすリスクも回避できる方法です。

外科的治療には、頚動脈内膜剥離のほかに、頚動脈ステント留置術があります。この方法は、血管の中から金属の筒を内張りのように留置して、押し広げるカテーテル手術です。ただし、肥厚した内膜を取り出すわけではありません。一方で、頚動脈内膜剥離とは違って、局所麻酔で行える方法です。

患者さんの状態などによって、治療法は選択されます。
脳卒中を特集した「けんいち」16号では、五日市記念病院の坪井俊之先生に、脳梗塞・くも膜下出血の予防手術をご紹介いただきました。頚動脈狭窄症に対する外科的治療や、頚動脈内膜剥離術についても、実際の手術の流れを写真とともに掲載しています。
詳しい内容は「けんいち」16号をどうぞお読みください。

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