※14日目、優勝と幕内1000勝を決めた白鵬を師匠、部屋の力士たちが祝福
写真:月刊相撲

 秋場所は白鵬の41回目の優勝で幕を閉じました。全勝優勝は14回目で、場所中に達成した横綱800勝、幕内1000勝を含め、ぶっちぎりの史上1位です。中日の勝ち越しも通算45回目で、2位の千代の富士が25回ですから、断トツです。また、今年になって初めての優勝で、平成18年夏場所で初優勝して以来、13年連続で優勝したことになります。これは大鵬の12年連続を抜いて、単独1位の記録となりました。

 場所前の白鵬は決して万全の状態ではありませんでした。名古屋で右ヒザを痛め途中休場、夏巡業も本格的な稽古はできず、何とか初日に間に合わせたという感じでした。それが始まってみれば連戦連勝。5日目の貴景勝戦、6日目の正代戦と危ない相撲を拾ったことで、加速していきました。また、稀勢の里の必死な姿も刺激を受ける要因だったと思います。

 秋場所に進退を懸けた稀勢の里は、序盤は攻め込まれての逆転相撲で5連勝。序盤がカギだったので、これで最後まで取れるだろうと思いました。6日目以降は5勝5敗で、優勝争いには絡めませんでしたが、9場所ぶりに皆勤したことに意義があります。今後、新たなケガがなければ、九州場所ではさらに状態が上がってくるでしょう。そして、九州では秋場所のように周りは温かい目で見てくれません。横綱らしい相撲を取って、優勝を争ってほしいと思います。

 秋場所の注目の一つだった御嶽海の大関取りは失敗に終わりました。出だしは5連勝とよかったのですが、中日から5連敗。3横綱には勝てませんでした。阿武松審判部長(元関脇益荒雄)は「大関取りは振り出し。一から出直し」と語っていましたが、それはちょっと違うのではないかと思います。秋場所は栃ノ心、髙安の2大関に勝っての9勝ですし、以前には大関昇進2場所前が8勝だった力士もいます。最近では豪栄道が12勝、8勝、12勝で昇進。過去には曙が13勝、8勝、13勝で、輪島が12勝、8勝、13勝で昇進しています。御嶽海の場合、1年以上も三役を守っている安定感を加味すれば、12勝して3場所合計が34勝なら上げてもいいのではないでしょうか。まあ、御嶽海の場合、稽古嫌いということが心証を悪くしているのかもしれません。

 千秋楽の翌々日、貴乃花親方が「引退」届を提出という衝撃のニュースが飛び込んできました。協会側は退職届ではなく、引退届なので受理できないと、まだ正式に決定したわけではありません。双方に誤解があると思うので、しっかりと話し合う必要があると思います。協会としては貴乃花親方を追い出したと世間に思われるのは大ダメージです。追い出す気はさらさらないはずです。八角理事長も貴乃花親方を生かせる道を考え、お客さんに喜んでもらえる審判部に配属しました。場所後の理事会では無所属の貴乃花親方をどう救済するかについても話し合われるはずでした。このまま大スターが協会を去ることになったら悲しすぎます。

文=山口亜土

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