※試合後のWBSS会見で。優勝者にはモハメド・アリ・カップが授与されるWBSS。永遠のスポーツヒーロー、アリの領域を目指せ!

 プレスルームでの会見のあと、控え室前の囲み取材に応じたWBA世界バンタム級チャンピオン、井上尚弥(大橋)はどこまでも涼しい顔で、自らのKOパンチを振り返った。
「最後のパンチというか、最初のパンチで終わったんですが、練習してきたとおりのことが出ました」
 元WBA世界スーパー王者、プロアマ通算500戦近いキャリアを持つファン・カルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)を国内世界戦史上最短となる70秒で粉砕したのは、ひとつの計算に成り立ったアプローチによるという。
「左ジャブを打って目くらましをして、そこで打ち込んだ右でした。拳に伝わってくる手応えもありましたし、立ってこないと思いました」
 タフでしぶとく、混戦に巻き込まれたらやっかいな古豪に対し、その出方を60秒で読みきった。自身の対策用ストックから一番効果のあるパンチを選び出す。そして「体が先に動いて」KOに持ち込める。幸運でもなければ、偶然でもなかった。

「WBSSで最高のスタートを切れたと思う。優勝に向かって戦っていきたい」
 もはや人智を超える領域に達したその強さ。WBSSトーナメントの最高責任者カレ・ザウアーラント氏も「この会見に来るまでに、映像をすでに5回も見なおした。恐るべきワンツーだ。世界にはジョシュアやワイルダー、ゴロフキン、カネロと強打者はいっぱいいるが、イノウエはそれ以上。ナンバーワンだと思う」と興奮気味に評価した。
 

 次戦は来年3月。今月20日にアメリカ・フロリダ州オーランドで行われるIBF王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)対ジェイソン・マロニー(オーストラリア)戦の勝者と対戦する。
 なお、井上はこの一戦で、世界戦7連続KO、世界戦通算11KO勝ちの日本新記録も樹立している。
 この恐るべきKO劇のメカニズムにさらに深く切り込んだ記事は、10月15日発売、ボクシング・マガジン11月号に掲載される。

元WBC3階級制覇(バンタム級、フェザー級、スーパーバンタム級)王者・長谷川穂積さんの祝福を受けて談笑する

長谷川さんが「一緒に写真を撮らせて!」と、尚弥にせがむ

文_宮崎正博

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