上写真=ポジションを争う磐田の大南とFC東京のチャン・ヒョンス(写真◎J.LEAGUE PHOTOS)

 FC東京はACL出場権、磐田はJ1残留確定と、それぞれ目標を追う一戦は、無得点で引き分けた。序盤に磐田が押し込むもののシュートまで持ち込む回数が少なく、徐々にFC東京が髙萩洋次郎のパスなどからチャンスを作り出す。34分にはPKを獲得するも、ディエゴ・オリヴェイラが決め切れなかった。後半に入るとFC東京のリズムとなるが、懸命に守る磐田を崩せず、0-0で勝ち点を分けた。

■2018年11月10日 J1リーグ第32節
 FC東京 0-0 磐田

名波監督からも合格点

「勝ち点2を失ったのはFC東京だと認めなければいけない」。名波浩監督がそう語ったように、前半と流れが変わった後半は、磐田がゴールを守り抜いたという印象だった。勝ち点3を積み上げてJ1残留確定に近づきたかったところだが、収穫は1ポイント以外にもあった。

「負けていないので、良かったと思います」。交代出場も含めて4試合ながら、いまだ自身が出場した試合では『負け知らず』。20歳のDF大南拓磨の心の中では、安どよりも自信の方が勝っているようだった。

 試合開始直後から、ディエゴ・オリヴェイラと激しく競り合うなど負けん気を前面に出した。一方で、「切り返しが多いので、粘り強く守ろうと思っていた」と、すべきことも冷静に認識できていた。

 ボールが逆サイドにある時に、髙萩洋次郎がサイドに引っ張り出すような位置を取るなど、FC東京は若いDFを揺さぶろうとしていた。だが、3バックの中央に入った大井健太郎が、「拓磨の裏を突いてくるのは分かっていたので」と、走り込むD・オリヴェイラをカバー。後半はゴール前に貼り付けにされる時間も増えたが、無失点というタスクは完了した。名波監督も「大南はディエゴに対して、怯むことなく何度もファイトしていた」と合格点を与えた。

 今季第4節の広島戦で、先発フル出場にてJ1デビューを飾った大南だが、その後の出場はカップ戦に限られていた。リーグ戦で再び出番がやってきたのは残留を争うシーズン終盤という難しい状況。それでも、「緊張はありますが、自分にできることを格好つけずにシンプルに」と地に足をつけたプレーを続ける。前節はパトリック、この日はD・オリヴェイラと力のある外国人選手とのマッチアップも、「レベルの高い選手とやることで自信になる」とどん欲に血肉に変えている。

 リーグ戦はあと2試合だが、大南の戦いは続く。このFC東京戦の翌日からは、U-21日本代表としてUAEへと遠征する。東京五輪を見据えながらのサバイバルレースが、こちらでも展開されている。

 今年は2回、追加で招集されたが、今回は当初からリストに名前が載った。「最初から呼んでくれているのはうれしいし、しっかりそのチャンスをものにしたい」と、上り調子のDFは語る。「代表での争いでも勝ちたいと思うし、そうやって積み上げていけば、オリンピックにも出られるのではないかなと思います」。ともに磐田から遠征に向かう、この日も交代出場した同期の小川航基、後輩の伊藤洋輝にも刺激を与えながら、切磋琢磨を続けていく。

取材◎杉山孝 写真◎J.LEAGUE PHOTOS

This article is a sponsored article by
''.