写真上=3年ぶりのWBAベルトにも「まず正規の王座を」と宮尾
写真◉ボクシング・マガジン

20日、東京・後楽園ホールで行われたWBA女子世界アトム級暫定王座決定戦は、宮尾綾香(ワタナベ)が池山直(フュチュール)に3ー0の判定勝ちを収め、3年ぶりに王座へ返り咲いた。

開始早々の一撃

開始ゴングとともに池山は低い姿勢から力強いアタックを仕掛けたが、宮尾が迎え撃った右カウンターで腰から崩れ落ちるダウン。倒した宮尾が「びっくりした」と言う一撃を、池山は最後まで挽回することはできなかった。

35歳の宮尾と49歳の池山。2人は2年前に池山の持つWBO王座をかけて対戦し、宮尾が6回に右足の靭帯断裂に見舞われTKO負け。宮尾は1年半をリハビリに費やした。

勝った池山は今年7月、7度目の防衛戦に敗れ一度は引退を表明。ところが宮尾の再起によって舞い込んだチャンスに意志を撤回し、リングに戻ってきた。

あのケガがあったから

15年のプロキャリアで初めてだったというダウン。「まったく見えなかったし、当たったかどうかもわからなかった」という池山のダメージは深そうだったが、立ち上がって戦闘再開すると前進に次ぐ前進を繰り返す。だが、それに押される宮尾ではなかった。

「ケガして良かったとは言わないけれど、今の自分があるのも、あの練習のおかげです」

ケガをしない体づくりと、ケガをしない戦い方。池山が出てくることはわかっていたから「体の軸を使って押し合い、パンチもナックルで当てるようにと。教えたことができました」と梅津宏治トレーナー。「宮尾さんも前のことがあったから、いろいろ技術的にも練習してきたんでしょう。中に入らせてもらえなかった」と池山も宮尾の進歩を認めた。

池山は未練、宮尾は未来へ

敗北は受け入れた池山
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下された判定は97対92が2人に96対93が1人の3ー0。「悔しいけれど、ここまでの実力なのかな」と敗北を受け入れた池山だが「まだまだ練習していて伸びしろを感じる」と現役続行には未練を見せた。

「真剣勝負の場に戻ってこれた。まずは正規のチャンピオンになることが第一関門です」。遠回りして新しい自分を見つけた宮尾に、再び道が開けた。

取材◉藤木邦昭

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