今季の関東学生アメリカンフットボール1部TOP8は、早稲田大学の2年ぶり5回目の優勝で幕を閉じた。最終節の11月25日、法政大学との決戦の中で、早稲田のRB元山伊織、法政のWR高津佐隼矢という2人の4年生を追った。

画像: 法政の厳しいマークの中で"TDの活躍をみせた、早稲田RB#7元山伊織(撮影:北川直樹)

法政の厳しいマークの中で"TDの活躍をみせた、早稲田RB#7元山伊織(撮影:北川直樹)

早稲田大学○24-20●法政大学@横浜スタジアム 11月25日

第1試合で明治大学が慶應義塾大学に勝ったため、法政は早稲田に6点差以上で勝たなければ優勝はない。それが試合展開にも影響した。前半は、ノーハドルでテンポよく攻め込む法政、相手のミスやターンオーバーを得点に結びつける堅実な早稲田という構図で、早稲田が14-13と1点差リードで折り返す互角の展開。早稲田は、法政の徹底したラン守備に抑えられて苦戦した。

画像: 法政守備は、フィジカルを前面に早稲田のフロントに対抗。ランを厳しくマークした(撮影:北川直樹)

法政守備は、フィジカルを前面に早稲田のフロントに対抗。ランを厳しくマークした(撮影:北川直樹)

早稲田は後半、徐々にタイミングをつかみ、ランが出始めた。QB#1柴崎のパスも第3ダウンでしっかり決まり、ロングドライブとなった。このシリーズは、柴崎がゴール前で法政にインターセプトを喫するが、法政の直後のオフェンスで、QB#11高津佐のパスを中央付近で早稲田副将LB#2中村がインターセプトのお返し。モメンタムを取り戻す、ビッグプレーとなった。早稲田は第4クオーターに、K#97高坂のFG、元山の25ヤードTDランで加点、法政の追い上げをかわして24-20で勝利を収めた。

画像: 「失敗しても、うまく切り替え平常心でやれた」と振り返った、早稲田QB#1柴崎哲平(撮影:北川直樹)

「失敗しても、うまく切り替え平常心でやれた」と振り返った、早稲田QB#1柴崎哲平(撮影:北川直樹)

◇早稲田・元山が大黒柱の走り

4年生RB元山がゲームを作った。法政の厳しいマークに会い、拮抗した展開のなかでラン25回で99ヤード2TDを獲得し、しっかりと役割を果たした。法政のラン守備が厳しいことはわかっていたが、「関西との勝負を見据えると、弱点を小手先で突くのではなく、地力を鍛える必要がある」と、ベースプレーを中心に真っ向勝負を挑んだ。

シーズン中、大きな怪我なくリーグ戦をタフに走り抜いた。第2節の明治戦で負傷し、戦列を離れていた同学年の片岡の分も活躍しなければいけないという、意地と責任感の表れだった。エースQB柴崎が「パスが不調でも(元山)伊織さんに持たせれば進めてくれる」と信頼するように、攻撃の大黒柱としてチームを支えてきた。

画像: 早稲田RB#7元山伊織は、厳しいマークのなか徐々にペースを掴んだ(撮影:北川直樹)

早稲田RB#7元山伊織は、厳しいマークのなか徐々にペースを掴んだ(撮影:北川直樹)

今シーズンの記録は、105回610ヤード7TDで、TOP8のラッシング1位。突出したパフォーマンスではないが、リーグ戦が1試合少なかったことを考えれば、決して悪い数字ではない。

ただ、元山の今季の目標は「関東学生MVP、甲子園MVP、(学生年間MVPの)チャックミルズ杯の三冠」だった。関東MVPは主将の斉川尚之が受賞。「携帯の待ち受けにも【三冠】を設定してきたので、悔しかった」と、個人目標はかなわなかったが、2年ぶりの甲子園ボウル出場に向けて大きく前進した。

画像: 関東TOP8の最優秀選手賞を獲得した、早稲田主将のDL#97斉川尚之。抜群のキャプテンシーでチームを率いた(撮影:北川直樹)

関東TOP8の最優秀選手賞を獲得した、早稲田主将のDL#97斉川尚之。抜群のキャプテンシーでチームを率いた(撮影:北川直樹)

元山は大阪の豊中高出身、高校時代に関西学院高等部に敗れた。関学大を甲子園で倒すため、関東で上り調子の早稲田に進学した。関学の副将には高校同級生のWR#80尾崎がおり、関学へのリベンジに加え、元チームメイトとの対決を希望している。

画像: タフなランでシーズンを通して早稲田攻撃をけん引した、RB#7元山伊織(撮影:北川直樹)

タフなランでシーズンを通して早稲田攻撃をけん引した、RB#7元山伊織(撮影:北川直樹)

◇法政・高津佐の八面六臂も、「+6点」の差重く

背水の陣の法政は、4年生のアスリートWR#11の高津佐がQBとして先発した。シーズン当初のスターター野辺の負傷離脱もあり、第4節の慶應戦から、「高校1年のときにプレー経験があるが、ポジションを転向してからもずっとやりたかった」という、念願のQBをプレー。自らのランに加えて積極的にパスも投げ、さらに同じ試合の中でWR、リターナーとしてもプレーする、/(スラッシュ)プレーヤーとしてオフェンスにリズムをもたらしてきた。

画像: 法政WR#11高津佐隼矢は、抜群のアスリート能力で法政攻撃のジョーカーとして大活躍した(撮影:北川直樹)

法政WR#11高津佐隼矢は、抜群のアスリート能力で法政攻撃のジョーカーとして大活躍した(撮影:北川直樹)

法政オフェンスは、早稲田のファーストダウン14回、284ヤードに対して同22回、416ヤードと上回ったが、5回のターンオーバー(4インターセプト)が重くのしかかった。このゲームの勝敗ではなく、TOP8の優勝を狙って、リードされた点差+6点を意識し、キャッチアップオフェンスを展開した以上、やむを得なかった。

この日も、高津佐に加え、スクランブルが得意な#12勝本、RB出身ながら非凡なパスセンスを見せる#8小田賀と3人のQBを目まぐるしくローテーションして早稲田の守備をかき乱した。高津佐は本業のWRでパスレシーブ90ヤード、キック、パントのリターンで93ヤード。パスでも137ヤードを奪う八面六臂の活躍。ただ、第1Qと第3Qの2本を含む3インターセプトが悔やまれた。

画像: 法政#11高津佐隼矢は、抜群のセンスでパスも披露。底知れぬポテンシャルを発揮した(撮影:北川直樹)

法政#11高津佐隼矢は、抜群のセンスでパスも披露。底知れぬポテンシャルを発揮した(撮影:北川直樹)

【写真・文/北川直樹】

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