社会人日本一を決するJAPAN X BOWLの直前に、不祥事が起きた。新聞などで報じられている通り、11月26日、社会人アメリカンフットボール・Xリーグのパナソニックインパルス所属の2選手が大阪府警に逮捕されたのだ。

日本社会人協会が、翌27日に、深堀理一郎理事長名で謝罪したのは、今回の事態に対する強い危機感の表れだ。11月上旬に、同じ大麻取締法違反で選手が逮捕された関西学生リーグDiv.3の大学は、直後の試合を棄権し部としての活動を停止している。準決勝でパナソニックはIBMと接戦の末敗れたが、仮に勝ってジャパンXボウルに進出していた場合は、出場辞退、最悪の場合は大会自体の中止もあり得た。

新聞報道などによると、容疑は大麻を米国から国際郵便で密輸入しようとしたものだ。国際郵便は、すべて税関検査の対象となっており、幼稚な犯罪で発覚は必然だった。

国際的には、大麻は法規制が緩くなっているのは事実で、2018年11月現在、米国では医療用は28州で、嗜好用は8州で合法化されている。隣国のカナダは今年10月に嗜好品として使用と所持が合法化されたという。

しかし、日本の法律は違う。その国で活動する以上、その国の法律に従うのは当然で、日本では大麻は所持も使用も違法だ。釈明の余地はない。

気になるのは、米国人選手を加入させる際に、こうした問題に関しても、きちんとした説明や教育がなされていたかどうかだ。

Xリーグは、この10年間で米国人を主とする外国人選手が飛躍的に増えた。法律や生活常識の違う国や社会からの選手を受け入れる時、受け入れる側が責任を持って教育をするのが当然だ。パナソニックは企業チームで、今回逮捕された2選手は、実態はともかく、名目上は社員。責任は大きい。もちろん、パナソニックだけの問題ではない。外国人選手を参加させている他チームにとっても、今回の事件は他人ごとではない。

あらゆるスポーツで、競技水準の高いトップリーグには、高い能力を持った外国人選手が不可欠な面がある。来季から、事実上の新トップリーグが動き出すXリーグにとっても、それは変わらない。

これまでは外国人選手を加入させる際、一定の規約や制限はあったが、受け入れ後は各チームの自助努力に任されてきた。しかし今後は、教育や検査も含めた受け入れ態勢の一層の整備が必要となってきている。

11月27日の文書の中で、深堀理事長は
「この数年来、Xリーグは、国内外より多くの選手、コーチ、スタッフを迎え、競技力の向上に積極的に取り組んでまいりました。特に、アメリカンフットボールを国技とする米国からの選手の参加は、日本のアメリカンフットボールの発展に間違いなく大きく貢献してきました。今回の出来事によって、そうした取組を後退させるのではなく、多くの先人達がこれまでに築き上げてきたXリーグをさらに発展させて行くために、Xリーグ関係者が一丸となって、この難局を乗り越えて行く所存であります」
と述べている。

この立場に全面的に賛成した上で、より具体的な方策として「犯罪を起こさない、巻き込まれない」という視点に立った、選手やコーチに対する研修会のようなものをリーグが定期的に開催することを提言したい。

同種の試みとして、

プロ野球(NPB)の
「新人選手研修会」
http://npb.jp/rookie/2018/
日本オリンピック委員会(JOC)の
「オリンピック強化指定選手研修会」
https://www.joc.or.jp/news/detail.html?id=8537

などが参考になると思う。

特に法律や社会常識が異なる海外からの加入選手は、受講しなければロースター登録を認めない、といった対策も必要ではないかと考えている。

【小座野容斉】

画像: Xリーグ公式サイトに掲載された、日本社会人アメリカンフットボール協会、深堀理一郎理事長の謝罪と再発防止の言葉(抜粋)

Xリーグ公式サイトに掲載された、日本社会人アメリカンフットボール協会、深堀理一郎理事長の謝罪と再発防止の言葉(抜粋)

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