写真上=WBA、IBFに続き3本目のベルトを獲得した多田。次は4団体制覇を宣言した
写真◎ボクシング・マガジン

 1日、エディオンアリーナ大阪第2競技場で女子の4大タイトル戦が開催された。メインイベントのWBO女子世界ミニマム級タイトルマッチ10回戦は、同級2位の挑戦者・多田悦子(真正)がチャンピオンの江畑佳代子(ワタナベ)を3-0の判定に下し、3度目の世界王座獲得を果たした。江畑は2度目の防衛に失敗した。

女子ボクシングのリーダー対決

 6度目の世界挑戦を実らせた42歳のチャンピオン江畑と、元WBA、IBF王者で9度防衛の実績を誇る37歳の多田。2008年のJBC公認以来、女子ボクシングを牽引してきた2人の対決は、緊迫したペース争いが繰り広げられた。左ストレートで飛び込んでくるサウスポー多田に、江畑は巧みに回り込んでは右をカウンター。好スタートを切ったかに見えたが、バッティングで早くも左前頭部をカットしてしまう。

「江畑さんの気持ちが伝わってきた。このままではかき回される」と感じたという多田は「冷静に。基本に忠実に」と自分に言い聞かせ、勝つボクシングに徹した。練習中に左足を痛め、3週間ロードワークができなかったというハンデから、パンチに踏ん張りが効かなかったという多田だが、その分、プレスをかけながらも決して攻め急がない戦法に切り替える。6回には多田が左目尻、7回には江畑の右目上と互いにカットして流血に見舞われる中、終盤は多田が足を使いながら左を当てることに成功。最終回は江畑の執念の反撃を振り切った。

「こういう試合がやりたかった」と江畑
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 判定は98対92が2者、97対93が1者でいずれも多田。江畑は「後手に回りすぎたし、左ストレートに注意しすぎた」と敗北を認めたが「高いレベルのフェイントの掛け合いは楽しかった。多田さんとやれてうれしかったし、こういう試合がやりたかった」と満足感もにじませた。

元世界王者・西岡利晃さん(左)の祝福を受ける多田

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 多田は「この1年はボクシング人生で一番つらかった」と、長いブランクの間の葛藤を振り返り「これからは強い人とだけやっていきたい。3団体のベルトを獲ったから、あとはもう一つ。4団体を狙います」と力強く宣言した。

松田は2戦目、佐伯は3戦目でタイトル獲得
藤原はリマッチを制し初防衛

鮮やかなストップ勝ちを飾った佐伯
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 WBOアジアパシフィック・ミニマム級王座決定戦8回戦は、佐伯霞(真正)がワーサナー・カムディー(タイ)に3回1分14秒TKO勝ちし、プロ3戦目で初タイトルを獲得。リズム、バランス、パワーと揃った鮮やかな速攻で初回に1度、2回に2度倒して試合を終わらせた佐伯は「山下(正人)会長が次、世界してもいいと言ってくれた。世界を獲るためにプロになったので、しっかり夢を果たしたい」と笑顔で語った。


再び熱闘を制した藤原
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 東洋太平洋女子フェザー級タイトルマッチは、チャンピオン藤原芽子(真正)が前王者の三好喜美佳(川崎新田)を3-0の判定に下し、初防衛に成功した。約4ヵ月ぶりのリマッチは再び激しい打ち合いに終始。三好も研究の跡を見せたが、藤原が得意の左フックで主導権を握った。「めちゃめちゃしんどかったです。三好さんは前回よりもうまいボクシングをした。こんな私でも世界チャンピオンになります」と、同僚の22歳・佐伯に続き、37歳のママさんボクサー藤原も世界を見据えた。

2戦目で王座奪取の新記録を作った松田
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 東洋太平洋女子アトム級王座決定戦8回戦は、松田恵里(TEAM 10COUNT)が慶美奈代(真正)に3-0の判定勝ち。松田は男女を通じて国内最短記録となる2戦目での王座獲得を果たした。身長・リーチにまさるサウスポー松田は、慶の強引なプレスに悩まされながらも右のリードで突き放し、左ストレートを上下にヒット。4回にはダウンも奪った。判定は3者とも79対72と大差がついた。「やりたいことをやらせてもらえなかったが、勝てて嬉しい」と松田。TEAM 10COUNTジムにも創設9年目で初の王座をもたらした。師の鳥海純会長は「自分が王座を獲ったのは29戦目でした」と、同じ東洋太平洋王座を喜んだ。松田には早くも日本同級王者の鈴木菜々江(シュウ)と、ダブルタイトルをかけた初防衛戦が予定されている。

取材◎藤木邦昭

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