箱根駅伝のエントリーメンバーからチーム別に展望する11校目は、平成の常勝軍団・駒澤大だ。前回はシード落ちの苦杯を喫したが、予選会は力の差を見せつけてのトップ通過。三強崩しの最有力候補だろう。

※写真上=ハーフの距離では無類の強さを発揮する片西(右)。箱根でエースの走りを見せられるか(写真/JMPA)

駒澤大チームエントリー

駒澤大      5000mSB  10000mSB
伊勢 翔吾(4) 14分09秒10 29分21秒04
片西  景(4) 13分57秒02 28分37秒41
下  史典(4) 14分16秒69 29分31秒48
白頭 徹也(4)   ――   29分14秒33
堀合 大輔(4)   ――   29分10秒53
大坪桂一郎(3) 14分27秒29 30分10秒34
中村 大成(3) 14分28秒61 29分18秒52
中村 大聖(3) 14分25秒74 29分45秒29
原嶋  渓(3) 14分40秒49 29分47秒66
山下 一貴(3) 13分55秒33 28分31秒89
伊東 颯汰(2) 14分05秒91 28分34秒91
小島 海斗(2) 13分52秒00 29分39秒91
小原 拓未(2)   ――   29分18秒27
加藤  淳(2)   ――   28分36秒59
神戸 駿介(2) 14分16秒92 30分01秒42
花崎 悠紀(1) 14分27秒44   ――
チーム平均     14分15秒21 29分18秒64
箱根駅伝エントリーメンバーと5000m、10000mの今シーズンのベストタイム(12月14日現在)

ハーフに強い選手が名を連ねる

 予選会、全日本駅伝を走った主力メンバーが順当にエントリーされた。エースの片西景をはじめ、長距離に強い選手がそろっている。片西は予選会(ハーフマラソン)で日本人2位の1時間1分50秒を記録し、自己ベストを更新。ユニバーシアードで金メダルを獲得した昨年以上に力を付けている。チーム全体の底上げもされており、ハーフマラソンの持ちタイムを見ると1時間2分台の選手が4年生の伊勢翔吾、下史典、3年生の中村大聖、山下一貴、2年生の小島海斗、小原拓未とずらりと並ぶ。
「20kmになると、うちは走れる選手が多い。箱根では三強を崩す」
 大八木弘明監督の自信に満ちた言葉にも素直に頷ける。11月の全日本大学駅伝では青学大、東洋大、東海大のトップ3に差を開けられて4位に甘んじたものの、距離が伸びる箱根では「三強」とも対等に渡り合えるはずだ。
 箱根駅伝の経験者でエントリーリストに名前がないのは物江雄利。今夏まで主将を務め、17年度大会の6区を走ったが、最後のチャンスはつかめなかった。

画像: 全日本では時期エース候補の山下が4位でゴール。箱根では三強崩しなるか(写真/椛本結城)

全日本では時期エース候補の山下が4位でゴール。箱根では三強崩しなるか(写真/椛本結城)

山を攻略できるか

 前回は特殊区間がブレーキとなり、エース・工藤有生(現コニカミノルタ)の故障で区間配置にも苦悩。想定外のことが相次いで12位に沈み、9年ぶりにシード権を逃した。
 同じ失敗は二度と繰り返さない――。
 大八木監督は選手の故障に細心に注意を払い、チーム全体のスタミナを強化してきた。前回、苦戦を強いられた山は、一つのポイントとなる。春先から志願者が準備を進めており、大八木監督も手応えを得ている。
「山で差がつくからね。この区間は走りたいと思うやつが走らないと。今回はある程度、力は付いていると思う。下りにも面白い選手がいる」
 5区の上りは前回経験者の大坪桂一郎、成長著しい伊東颯汰が意欲を示す。伊東は11月の学連記録挑戦会で10000mの自己最高タイムを出すなど、上り調子の2年生。メンバーに入りしても何ら不思議はない。
 6区の下りはスピードだけでなく、「ハーフがきっちり走れないと後半に失速する」と大八木監督。1時間2分台で走る中村大聖などは有力候補の一人かもしれない。
 名門復活の大きなカギは、現エースの片西、次期エース候補の山下が握っていると言っていい。往路の前半区間での起用が予想され、チームに流れを持ってこられるかどうか。過去2大会は中谷圭佑(現・日清食品)、工藤と大黒柱が立て続けに故障に泣き、持てる力を存分に発揮できずに終わった。
「やっぱり、エースがエース区間を走らないと、あのような順位になる。確実にエースらしい走りをしてもらいたい」
 大八木監督は片西だけでなく、山下にもはっぱをかけ、期待を寄せている。
 全体の選手層は厚くなっており、復路要員は充実。前回9区で区間2位と好走した主将の堀合大輔をはじめ、伸び盛りの2年生がそろう。小島、小原は11月の上尾ハーフマラソンでともに1時間3分を切り、自己ベストを記録した。箱根の経験はないが、上位校と争う実力は備えている。
 今回は、前回のように苦しんで区間配置に迷うこともないはずだ。むしろ、大八木監督は力をつけた2年生の台頭で、うれしい悲鳴を上げているかもしれない。「三強崩し」宣言は虚勢を張っているわけではない。6度の総合優勝を誇り、「平成の常勝軍団」と呼ばれた強豪は、虎視眈々とトップ3を狙っている。
文/杉園昌之

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