上写真=2011年のアジアカップ優勝メンバーの一人である権田

 初日から合宿に参加した国内組の一人、サガン鳥栖のGK権田修一は、2011年に自身が参加したアジアカップ・カタール大会で優勝した経験から、タイトル奪還のポイントを語っている。

色んな事が起こり得る大会

 練習後に取材の応じた権田は、長丁場を戦う難しさとその中で優勝するために重要な要素について、自身の経験も交えつつ語った。以下は、その発言要旨である。

「相手のサッカーに合わせてリアクションするのではく、自分たちがアクションしていこうと(サッカーを)やる以上は、理想はその判定(いわゆる中東の笛)とか気候とかいろんな厳しい条件が重なったとしても、それに打ち勝つ強さを持つことが重要でしょう。まず、そういう前提があると中で話すと、やっぱり、それでも(アジア大会には)色々と(アクシデントが)あると思いますね。僕が参加した2011年のカタールでのアジアカップも、初戦(ヨルダン戦)から本当に危なかったし、2戦目(シリア戦)もGK(川島永嗣)が退場して、準々決勝も準決勝も決勝も、全部の試合が厳しくて簡単な試合なんて一つもなかった。アジアというと、日本代表は勝って当たり前というイメージがあると思うし、それは当然は期待されているところだと思いますが、そういうアクシデントが起こる大会だと、みんなが認識しないといけないと思います。何かが起きたときに、『えっ、こんなこと起きんの?』って、驚いてしまうと、後手を踏んでしまったりするので。

 森保さんがどういうふうに(チームを)持っていくのか分からないですけど、僕は(2011年大会は)ベンチからですけど見ていて、色んなことがあるアジアカップを(経験しました)。出場停止になったりだとか、ケガをしたりだとか、いろんなことがある中でも毎試合、日替わりのヒーローじゃないですけど、途中から出た選手も含めてヒーローが生まれた。最後(=決勝)も、開幕戦した出ていないチュンくん(李忠成)が点を取って勝つというね。

 僕はあの大会、試合に出ないでベンチにいて、試合に出ていない選手とずっと一緒に練習をやっていたけど、いつチャンスが来る分からない中でも、チャンスが来たらやるぞという雰囲気があった。チャンスが来て出た選手が活躍できるんじゃないか、という雰囲気がありました。それこそ細貝萌選手もそうだったし、伊野波雅彦選手もそうだったし。そこは短期決戦の大会、ワールドカップやオリンピックもU-20ワールドカップも全部そうだと思うんですけど、リーグ戦ではない試合、トーナメントになってくるとそういうところが出ると思うんですよね。そこが絶対大事になるので。

 そういう雰囲気は『雰囲気を作ろうよ』と言ってできるものではなくて、みんながチームのために貢献したいとか、出番がなくても次の試合のためにって(気持ちに)なれるかが重要。やっぱり出られない状況が1か月続くとなると、しんどいこともあると思います。でも、チュンくんがああやって体現したみたいにできるかどうかですよね。開幕戦に出て、そのあとずっと出番がなくて、でも(気持ちを)切らさずに練習をずっと高いレベルでやれていたから、決勝でのあのゴールがあったと思うので。それは僕が実際にその場にいて感じました。(2011年のアジアカップは)僕が出た国際大会で唯一、優勝できた大会で、そういう優勝するチームに携われた中で、感じたことです。

 じゃあ今回、僕が『あんときこうだったからこうしようよ』と言うんじゃなくて、まあ今回のチームは若い選手が多いですが、腐る選手がいないのはまず間違いないですし、その中でもやはり1か月という長い時間だと難しいことがあると思うので、そこでうまくチームとしてやれればと思います。チームが一つになってやることが大事だと思うし、それができれば何があってもね。終わったときにも、こんなアクシデントあったけど乗り切れたと自信になると思うので」 
   
 権田が繰り返したのは、チームが同じ方向を向く重要性だった。経験者の言葉には説得力がある。今度の大会も、あの日の李忠成や細貝、伊野波らのような存在が必要だろう。「アジアカップは総力戦になると思っています」。森保一監督も、このように語り、レギュラー組ばかりではなく、チーム全員で戦うことが重要だと強調している。

「優勝から逆算するのもありかもしれないですけど、アジアの戦いであっても難しいし、1試合1試合、目の前の試合のことを考えるべきなのかなと。全勝すれば優勝はできるので」

 権田は優勝のポイントについて聞かれると、こう答えた。現在のチームは若く、経験不足を心配する声も聞こえるが、大会に臨むにあたって、慢心や過信はないと感じさせる。まして、指揮官は92年大会でボランチとしてプレーし、日本の初優勝に貢献した森保監督。

 日本代表は30日まで国内合宿を行ない、一度解散したあと、新年早々に集合して決戦の地UAEに向かう。初戦は9日、トルクメニスタン戦。FIFAランクではかなり格下だが(日本は50位、トルクメニスタンは127位)、日本は本来のアグレッシブな姿で、頂点に至るまでの7試合の最初の1試合に臨む。

写真◎Getty Images

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