上写真=試合前にぶら下げられた“ニンジン”の話に及ぶと、父子は顔を見合わせて満面の笑みとなった

30日、東京・大田区総合体育館で行われたWBC世界バンタム級暫定王座決定戦で、2位のペッチ・CPフレッシュマート(タイ)を3-0判定(117対111×3)で破り、ベルトを獲得した井上拓真が31日、所属する神奈川・横浜の大橋ジムで一夜明け会見を行った。結果には満足するというものの、やはり気にするのは“暫定”の二文字。1月19日にアメリカ・ラスベガスで開催予定の同級正規王座決定戦、1位ノルダン・ウバーリ(フランス)対3位ルーシー・ウォーレン(アメリカ)の勝者との王座統一戦へ、思いを口にした。

父子そろって思い入れのある“緑のベルト”だが、正規王者になるまでは本当の喜びを爆発させないと気を引き締めている

井上拓真
「小さいころからの夢だったので、勝つことができてひとまずホッとしてます。
 試合が終わってからは、いつもどおり、家族でご飯を食べて、帰って試合映像を見て、ゆっくり寝ました。
 お父さん(真吾さん)の言うとおり、試合内容としてはまだまだのところがいっぱいあるので、しっかり課題として今後クリアしていこうと。
 前半、相手に付き合う部分が多かったので、中盤以降、しっかりセコンドのアドバイスを聞いて、足を使って、ポイントアウトできたので、その部分は収穫。1ラウンド目で効かせたときに、焦って行きすぎたのもあるし、バッティングで鼻にもらったこともあって、いろいろいい経験ができました。このままズルズル行ってしまったらヤバいと思っていて、父のアドバイスを聞きながら、切り替えができたのがよかったです。
 試合中の切り替えは、強敵と戦ってなかったら、あのままズルズルやられてるかもしれないパターン。ベテラン選手とやってきた経験値をすごく感じました。
(兄・尚弥には)『とりあえず、おめでとう。よかったな』と。ナオも見てのとおり、内容では満足してないので、今回勝てて、『次にどうしていくかだな』って話しました。
 これは暫定なので、正規のチャンピオンになるまではしっかり準備してやっていきたい。早く正規のチャンピオンになりたい。
 課題もいっぱいあるので、それを一つひとつ克服して、もっといい試合を見せたい。
(試合の反響を訊かれ)泣いた人もいたって聞くので、今後も感動させられるような試合をしたい。
(右拳は)普通の打撲です。7、8ラウンドくらい。長引かないと思います。
 今後は、接近戦を強化したい。
(相手が右にスイッチしたことは)自分としてはやりやすかったので、右に変わってくれてよかったなと。(ペッチは)すごく前に出てきたので、今回の試合がいちばん疲れました。
 試合に勝ったというホッとした感じは毎回同じ。
 KOしたい欲は毎回ありますので、流れでしっかり倒せるよう、練習していきたいです。

父・井上真吾トレーナー
「本人もわかってるとおり、結果はよかったですけど、悪いところを直していこうと。嬉しかったのは一瞬で、次があるので、すぐに切り替えて。
 兄弟チャンピオンの喜びはありますけど、しっかり(正規王者との)統一ができたときに本当の喜びがくると思う。
 細かいことをいうと、一つひとつ中途半端なところがあるので、それらを徹底して、一つひとつしっかり拓真のもの、武器にできるよう、仕上げていきたい。
 今回は、ちょっとゆっくりさせたい。ダメージ、疲れはあるので、しっかり抜かせたい」

大橋秀行会長
「大橋ジムとして4人目の世界チャンピオン。自分がいたヨネクラジムの5人にあと1人。
井上親子に感謝したいです。
 1、2ラウンドは前半に倒しちゃうかと思ったけれど、バッティングで流れがガラッと変わって、相手のプレッシャーもきつくて、普通だったらあのままズルズルいって、逆転負けも十分あったと思うけれど、デビュー戦から強敵と戦ってきたキャリアがあるからこそ、切り替えて戦い方も変えた。あらためて、戦ってきた相手が重要だったんだなと感じました。
 次は絶対に正規との統一戦をしなきゃいけないので、王座決定戦に出る選手はふたりともサウスポーなので、パートナーをたくさん連れてきて、いい練習ができるよう、サポートしたい。
 統一戦は4月、5月くらいにできれば」

恒例の一面スポーツ紙に囲まれて

「今日くらい喜ぼうよ!」と無理やり笑わせました

取材&写真_本間 暁

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