※写真上=若元春(右)が富士東を降し無傷の4連勝。土俵下の西岩審判(元関脇若の里)が「足が出た」と手を挙げた
写真:月刊相撲

若元春(上手投げ)富士東

 今場所は幕下上位が熱い。貴ノ岩、稀勢の里の引退で、関取の座はすでに2枠が空いている状況。宝くじに例えればキャリーオーバー状態なのだ。勝ち越せば昇進有望な幕下5枚目以内で、最初の勝ち越しを決めたのが西3枚目の若元春(25歳、荒汐部屋)だった。

 元幕内の富士東との3連勝同士の対戦は、踏み込みよく得意の左を差した若元春が右上手も取って寄り立てる。しかし、富士東も上手を取って寄り返し、若元春がしのぐ攻防の激しい相撲となった。最後は若元春が土俵際で体を入れ替えるために右上手から振ったときに富士東の足が俵を割り、ストレートで勝ち越しを決めた。

「いやあ、際どい相撲だったけど、何とか勝てました」と息を弾ませながら花道を戻ってきた若元春。これまで幕下の15枚目以内で無傷の3連勝は3回あったが、すべて4番目の相撲で負けていた。給金相撲になると、力んで焦ってしまうことが原因だったが、「蒼国来関から『肩の力を抜いて、いつもの相撲を取れ』と言われた」。このアドバイスも効いたようだ。

 荒汐部屋の3兄弟の二男として、相撲ファンの間では有名。長男は若隆元(東幕下40枚目)、三男は若隆景(東十両5枚目)で、戦国時代の毛利3兄弟の名前を四股名につけている。若元春は弟の若隆景が東洋大から入門したときには幕下上位にいただけに、十両昇進で先を越されてしまい悔しい気持ちもあっただろう。「弟のことは意識していません」と言うが、そんなことはあるまい。

 新十両昇進が有望となった若元春だが、番付の近い力士たちも好成績者が多く、まだ確実ではない。「勝ち越しても気を抜かずにやりたい。あと一番は勝たないと」と気を引き締めた。

文=山口亜土

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