上写真=決戦前日、会見とフォトセッションが行われた。左から吉田、森保監督、フェリックス・サンチェス監督、アルハイドゥース(写真◎福地和男)

 カタールとの決勝を翌日に控え、前日会見に臨んだ日本代表の森保一監督は、いつもと変わらず、丁寧にメディアの質問に答えていった。カタールの印象、現在のチームの状況、選手の評価、日本の強み。それぞれについて、これまでも繰り返してきた言葉を繰り返したが、決勝までの6試合の中でチームの成長に関して「手応え」を感じている様子もうかがえた。

対応力、修正力、集中力、継続力を持って戦う

ーー明日の試合に向けて。
「明日の決勝戦カタール戦は、非常に厳しい試合になると思っています。すでに6試合やってきていますし、カタールも非常に力のあるチームです。もうひと踏ん張りを日本のほうができるように、いい準備をして、明日の試合で選手が思い切って力を出し切れればなと思っています」

ーー選手として1度優勝し、監督としても優勝すれば、両方の立場で優勝を勝ち取ることになる。日本サッカーが継続的に成長し発展してきている一つの証拠では?
「明日の決勝戦、日本代表チームとして優勝をつかみ取りたい、勝ち取ってトロフィーを掲げたいという気持ちはありますけど、個人としてその優勝がどうこうということには関心があまりありません。明日の試合で優勝して、日本代表を応援して下さる皆様と一緒に喜べるように我々は戦っていきたいと思いますし、最善の準備を今日(前日)の練習でもしていきたいと思います」

ーーカタールはここまで6試合で16得点無失点だが、どのように見ているか。
「非常に力のあるチームだと思っています。得点16失点ゼロで勝ち上がってきているということは我々も知っています。しかしながら常に相手がどこであろうと、考え方は同じで、相手に敬意を払い、相手のことを知って、我々が持てる力をカタール戦でにもすべて出す。選手には持てる力をすべて出してもらって、戦ってほしいと思っています。そして我々も(決勝に)勝ち上がってきました。選手たちには勝ち上がってきた自信を持ち、1試合1試合、チームとしてステップアップしながら成長しながら、この7試合目に、決勝にたどり着いたので、これまでやってきたことを決勝戦の舞台で思い切り出してほしい」

ーーカタールに対して日本は何が強みになるのか。具体的に何が成長したのかを教えてほしい。
「試合の中で選手たちが流れを読み取りながら、感じながら、意思統一をして、チームで連係連動しながら試合を進めることができているということについては、これまでの試合で全体的に良くなってきたと思います。具体的にというのは、少し難しいところがありますけど、これまでの6試合の対戦相手との試合の流れや、対戦相手がいろんなスタイルを持っていたので、そこで選手たちが(攻撃では)ボールを握って攻めること、素早く攻めること、守備ではプレッシャーをかけてボールを奪うこと、そして受け身になったときはしっかり我慢しながら守備をしてまた、自分たちに流れに持っていく等々、いろんな対戦相手と試合状況の中で学びながらチームの力にしてくれた。それで、ここまで来れたと思っています。
 明日の試合はどういう試合の流れになっても、対応力をもって、修正力をもって、集中を切らさず、継続力をもってやってくれると思います」

ーー塩谷司選手について、追加で招集されて徐々に存在感を増していると思うが、広島時代に一緒にタイトルを取ったときからどのように成長していると感じるか。
「まずは、この代表に追加招集でチームに合流してくれたことですけど、その前のアジアカップのメンバー選考の中でも、彼のプレーもスカウティングしていましたし、いつでもこのグループに入ってこれるだろうと思う活躍と結果をアルアインでも出していると思っていました。サンフレッチェ広島でJリーグのタイトルを一緒に取った仲間でもありますし、そのあと彼がアルアインに渡って国内でも結果を出して、先日のクラブW杯でもよいプレーをして、世界の舞台でも戦えることを彼は示してくれていると思っています。 
 彼は追加招集ですけど、日本代表の貴重な戦力だと思っていますし、彼だけではなくて、今、UAEに来てくれている選手たちは本当に貴重な選手だと思います。ただ、もっともっと日本代表に絡んで来れる選手たちがたくさんいるということを、われわれスタッフは感じながらチームの編成を常にやっていますし、日本のサッカーの成長につなげていきたいと思って選手たちを見ています」

 塩谷に関する質問に答える中で、しっかり日本代表以外、つまりは日本の全選手にメッセージを発信するところが何とも森保監督らしい。「日本のサッカーの成長につなげていきたいと思って選手たちを見ている」というのは、かねてより指揮官が抱いている思いをしっかり行動に移しているということだ。5度目のアジア制覇がかかる大一番を前にしても、その姿勢にはまったくブレがない。いつも頭の中にあるのは日本サッカーの向上と発展。その意味からもアジアカップ優勝は成し遂げたいミッションと、とらえているのだろう。

 2月1日、いよいいよ本日、アジアカップ決勝を迎える、王座奪還を期して臨んだ今大会で、日本はいろいろな一面を見せながら一つ一つ階段を上がってきた。今夜23時(日本時間)にキックオフされるカタールとの一戦は、立ち上げからここまでのおよそ5カ月、森保ジャパンが積み上げてきたものを見せる戦いでもある。

 カタールは簡単な相手ではないが、もちろん勝てない相手でも、ない。1992年、オフト監督。2000年、トルシエ監督。2004年、ジーコ監督。2011年、ザッケローニ監督。森保監督は、アジア制覇を経験する日本で5人目の、日本人として初めての監督になれるか。
 そして、本人は関心がないと話したが、選手と監督で初めてとなるアジアカップ優勝を達成できるかーー。

取材◎佐藤 景 写真◎福地和男

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