上写真=初優勝を成し遂げ、選手に胴上げされるカタールのフェリックス・サンチェス監督(写真◎福地和男)

 アジアカップで初優勝を成し遂げ、カタール・サッカーの歴史を塗り替えたスペイン人のフェリックス・サンチェス監督は、若い選手たちの力を伸ばしながらカタール代表をアジアのトップレベルで戦えるチームに変えた。現在、国交のないUAEでの試合であり、選手の代表資格問題が浮上するなど、決勝を迎えるにあたっては、集中するのが難しい状況もあった。しかし、見事にチームをまとめあげ、アジア制覇を成し遂げた。

「カタール史上最も重要な試合」に勝った意味

 2022年に自国で開催するワールドカップに向け、代表チーム強化に努めてきたカタールにとって今回の優勝はとても大きいだろう。日本と同様、いや日本以上に、グループステージからさまざまな戦い方を見せて決勝にたどり着いた。前日に指揮官自らが「カタール史上、最も重要な試合」と位置付けていた試合に勝ち切り、何が見えてきたのか。

ーー試合を振り返って。
「カタールの全ての人々におめでとうと言いたいし、選手たちにも祝福を述べたい。彼らはアジアでも世界でもトップクオリティのチームに対して、大きな努力をして素晴らしいパフォーマンスを出した。こういう試合でこの結果はとても大きなものだ。
 最初の10分で試合をコントロールして、30分までに2ゴールを決めて、それ以外にもチャンスを作った。チームはいい試合をした。そのあと、当然ながら日本が攻撃的なチームの側面を出して、戦略を少し変えて来て攻撃的に出てきた。しかし、我々のチームは堅い守備を見せて、守備に対する意識もとてもよくプレーできた。
 後半に入って最初の5分は押し込まれたが、そこでもチームはうまく守備をしていた。そのあと失点して、日本が強さを示してボールを保持したが、3点目を決めることができた。我々はこの結果に値すると思うし、カタールの人々にお祝いを言いたい。このチームの選手たちは本当に素晴らしい!」

ーー今大会は異なるタイプのチームと対戦したが、どの試合が一番難しかったのか。
「それぞれ違う展開で、違うシナリオがあったと思う。レバノン戦から始まり、1試合ずつ対応してきたが、それぞれに難しさがあった。ただ、それぞれで正しい対応ができたから、今大会で優勝することができたと思う。6試合を戦ったあとでの決勝で、みんな疲れもあったし、おそらく100パーセント(のコンディション)ではなかったと思うが、それでも頑張ってくれて、ビッグチームを破ることができた。それぞれの試合で違いがあり、シナリオがあり、勝つのはとても難しかった。しかし、選手たちはよくやってくれたと思う」

ーー決勝直前の選手の代表資格問題は心配だったか。(国交を断っている)UAEという難しい環境で得た今回の優勝はどういう意味があるか。
「最初の質問の答えは、心配はしていなかった。2つ目の質問には、我々は我々の国にとっての歴史を作った。なので、自分たちが成し遂げたことをとても誇りに思う。この成功でハードワークや責任感を持って仕事をすること、チームとして仕事をすることで非常に良い結果を手にすることができる、ということを証明することができた。それに、これは夏にある次の大会(コパ・アメリカ)へ続けていく良いステップになるし、2022年ワールドカップで競争力のあるチームとしてプレーする準備になると思う」

ーー2022年W杯の代表監督に適任だという自信は?
「カタール代表監督として仕事をすることに誇りを持っているし、今日、我々はカタールの歴史に残ることを成し遂げたと思う。私が今、考えているのは今であり、私と選手、そして国にとって素晴らしい日になった。これからもハードワークを続ける。カタール協会とともに仕事をしてきているし、協会会長をはじめ、フルサポートを得ているので、2022年へ向けて何の心配もしていない。もちろん、サッカーの世界なので2週間後にどうなっているかは不明だが。今は将来のことを考えるより、この勝利を喜びたいと思う」

 アリやアフィーフらアタッカーのスピードと技術をいつ、どこで、生かすのか。チームの強みを最大化する施策をサンチェス監督は練り、選手に授け、そして指揮官を信頼する選手たちがそれを愚直に実行した。アンダーカテゴリーのチームを見てきた指揮官と、選手たちの関係は良好で、まさしく「世代間の融合」も図られている。昨年のU-23アジア選手権で3位になった主力が、さらに経験を積んだことも大きい。
 この成功体験は、自国開催の2022年W杯にもつながっていくだろう。「史上最も重要な試合」に勝ったカタールは今後、アジアのサッカーシーンでいっそう存在感を増していきそうだ。

写真◎福地和男

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