Jリーグ王者の川崎Fが逃げ切り、ホームでACL初勝利を挙げた。公式戦ではゼロックス・スーパー杯以来、5試合ぶりの白星。前半は連係ミスなどもあったが、後半からはテンポよくパスをつないでゴールに迫った。前線の中央で家長昭博がアクセントをつけ、何度も好機を作る。0-0で迎えた83分、中村憲剛のクロスを途中出場の齋藤学が右足でゴールへ流し込み、決勝点とした。次節は4月10日に韓国で蔚山現代と戦う。

上写真=ACLシドニー戦で大会デビューを飾った田中
写真◎Getty Images

2019年3月13日 AFCチャンピオンズリーグ GS第2節
川崎F 1-0 シドニー
得点者:(川)齋藤学

「リスク管理を徹底した」

 川崎Fの下部組織で育ったプロ3年目の20歳が、堂々たるACLデビューを飾った。ボランチとして先発に名を連ねた田中碧は、「初めてなので緊張した」と言いながらも守備で奮闘していた。大柄なオーストラリア人にも臆することなく、互角に渡り合った。

「大きいとか、強いとかは、ピッチでは特に感じなかった。(ACLだから)当たりで負けていいとは思わないので」

 危険なスペースをいち早く察知し、相手のカウンターにも素早く反応した。周囲とコミュニケーションを図りながら試合のなかでポジショニングも微調整。クレバーな一面も見せた。

「リスク管理を徹底していた。一発で決められる危険性があったので、普段は戻らなくてもいいところでも戻った」

 鼻がよく利く。すっと最終ラインに下がったかと思えば、センターバックのカバーリングに入って、ピンチをしのいだ。立ち姿には自信がにじむ。

 J1リーグ第2節の横浜FM戦では急きょスタメンに入り、フル出場。いまは過信もなければ、大きな不安もない。現在地をつかんだようだ。

「(横浜FM戦で)自分にできることとできないことがわかった」

 75分にはワンツーで中央突破を仕掛け、相手をかわして惜しいシュートも放っている。試合後に「得点を取りたかった。シュートは課題」と反省の弁を口にしていたが、攻撃でも存在感を示した。

 それでも、川崎Fでレギュラーの座を奪うのは簡単ではない。Jリーグを2連覇しているチームの選手層は厚い。ボランチには負傷で離脱中の大島僚太を筆頭に、新戦力の山村和也など、実績を持つタレントがそろう。本人も置かれた立場を十分に理解している。足もとを見つめ、成長することを誓う。

「もっとプレーの質を上げていく」

 タイトなスケジュールのなか、JリーグとACLを並行して戦うチームに頼もしい若者が台頭してきた。

取材◎杉園昌之

This article is a sponsored article by
''.