関取最年長40歳の安美錦。初場所は東十両3枚目で3勝12敗と大敗を喫し、「オレも次が最後かもしれないなあ」と弱気になっていた。春場所の番付は西十両11枚目。残留には6勝が必要だ。

※写真上=後のない番付の位置でようやく白星を挙げた安美錦
写真:月刊相撲

 しかし、初日から4連敗。一気に前に出てもあと一歩が出ずに落ちたり、逆襲されたり、立ち合い変わって横から攻めようとしてもうまくいかない。必死さは伝わってくるが、白星につながらなかった。報道陣から「動きは悪くない」と言われても、「動きがよかろうが悪かろうが、結果がすべてだから」と沈痛な表情だった。

 5日目の対戦相手は明瀬山。立ち合いで踏み込みよく当たった安美錦は、すぐに左前廻しを取り、右を差して前に出ながらの外掛けで相手を崩して寄り切った。

 初勝利を挙げた安美錦は、「差させないように気をつけた。しっかりと当たって前ミツが取れたら横の動きと思っていた。昔みたいに外掛けもスッと足が出た。思ったとおりに取れた」と久しぶりの笑顔。

 この日はホワイトデーだが、「お返しが大変だよ。300人ぐらいにお返ししないと」と安美錦らしいジョークも飛び出して明るい表情。「先は長い。また明日から頑張る」と中盤以降の巻き返しが楽しみになってきた。

文=山口亜土

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