磐田が今季初勝利を飾った。0-0で迎えた72分、松本昌也が右サイドを突破し、ペナルティーエリアへ侵入。右足でゴール前に送ったがオウンゴールを誘発し、先制に成功した。さらに後半アディショナルタイムの相手のセットプレーの場面ではカウンターからロドリゲスが加点。相手GKも攻めあがり、がら空きとなっていたゴールに冷静にボールを流し込んだ。

上写真=記録はオウンゴールだが、松本(背番号14)の突破が先制点を呼び込んだ(写真◎J.LEAGUE)

■2019年4月6日 J1リーグ第6節
 湘南 0-2 磐田
 得点者:(磐)オウンゴール、ロドリゲス

相手の攻撃意識を逆手に

 54分、ゴール脇からファーサイドにわずかにそれる湘南FW武富孝介の危険なシュートは、松本がウイングバックとして入った磐田の右サイドから始まった。対峙したU-22日本代表DF杉岡大暉とサイドチェンジに空中戦で競り合うもヘディングで折り返され、このボールを縦につながれた。その他の場面でも、「ドリブルでも抜かれてしまって…」と、試合後、ゲームを振り返る松本の声がやや小さくなった。

 だが、相手の攻め手は予想済みだった。「試合前から、(杉岡が攻撃的に)くる分、サイドが空くので、チャンスだと思ったら積極的にいこうとチームとしても話していました」。

 絶好機がめぐってきたのは、残り20分を切ってからだった。サイドライン際から大久保嘉人へボールを預けると、足を止めずに前へ出た。パスを受けた大久保がタメを作った瞬間、中途半端な守備位置を取っていた対面の杉岡が、わずかに前へ出る。その一瞬を逃さなかった。大久保からのリターンを受けた松本は一気にギアを上げ、ペナルティーエリアへと入り込む。1人かわしてから出したボールは相手DFの足に当たり、湘南ゴールへ転がった。

「(得点直後に)電光掲示板を見たら自分のゴールとなっていたので、『ラッキー』と思ったんですけどね」。オウンゴールを誘発した1本はシュートではなくパスだったと明かした正直ぶりが、前節・鹿島戦に続く、自身の『今季2点目』を呼び込んだのかもしれない。

チームのつらい時間を振り切る

「スタッフにも選手にも、非常につらい時間だった」。開幕から勝ち星に見放された5試合を、名波浩監督はそう振り返った。

 この日も無得点の時間が続き、守備の際には松本も最終ラインに入って5バックを形成し、スペースを消した。だが、「前に前に、という気持ちがあった」と松本は振り返る。

「(守備だけではなく)攻撃にも出ていこうという気持ちを、自分自身も持っていました。その気持ちが大事だと思うし、それがプレーに出たんじゃないかと思います」

 その意識が生んだ先制点がチームに勇気を与え、追加点をも呼んだ。

 1点リードで迎えた追加タイム、相手FKをしっかりつかんだGKカミンスキーが、時計を進めるでもなく、素早く正確なスローイングでボールを前線に送る。その軌道の先で荒木大吾とともに最前線で全力疾走していた途中出場のロドリゲスは、スピードに乗りながらも1タッチでしっかりとボールをコントロール。がら空きのゴールへ転がり込んだ超ロングシュートによるダメ押し点は、「前へ」とのチームの心意気を表していた。

 次節は静岡ダービー。チームを加速させるには、絶好の舞台が整った。

取材◎杉山孝

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