20日、エディオンアリーナ大阪第2競技場で行われたWBOアジアパシフィック・スーパーフェザー級王座決定戦12回戦は、4位のジョー・ノイナイ(23歳=フィリピン)が、元日本フェザー級王者で5位の坂晃典(27歳=仲里)に計3度ダウンを与えて2回1分15秒KO勝ち。新王者となった。

上写真=初回、坂のサイドに回り込んだノイナイは、左ショートで最初のダウンを奪う。この後、さらに2度ダウンを追加して、2回早々に決着をつけた

 仲村正男の引退にともない、空位となったこの王座は、2017年12月に日本王座を失った坂にとって、絶好のチャンスと見られていた。対する相手のノイナイは、一時、三迫ジムとマネージメント契約をしており、“ジョー・ミサコ”のリングネームで2017年2月に阿部麗也(KG大和=日本フェザー級1位)と対戦。サウスポー同士の1戦は、空間掌握能力の高い阿部が思いのほか手を焼き、1~3ポイントの僅差勝利となっていた。

 初回、ノイナイが左ストレートをボディ、顔面に伸ばし、さらに左アッパーカットを突き上げると、場内はドッとどよめいた。一瞬にして強敵というムードが伝わったからだ。これを本能的に察知した坂は、グッと距離を縮め、ノイナイの左フックに右フックを重ねた。
 この一撃でバランスを崩したノイナイに坂は一気に追撃を仕掛ける。体ごと寄せて、右ショートを3連打。するとここで坂の右サイドに回り込んだノイナイが左ストレート。坂は尻もちをついてしまった。
 決めにきたノイナイは、さらにワンツーを坂に浴びせて弾け飛ばすダウンを奪う。辛くも立ち上がった坂は、ダッキングやクリンチで必死に回避し、なんとかゴングに持ち込んだ。

 続く2ラウンド、坂がダッキングしたところにノイナイは左を打ち下ろし。坂のバランスは大きく乱れ、まだダメージが残っていることを示してしまった。しかし、坂は前に出て右を振る。が、これを外されてふたたび左ストレート。その場にストンと落ちた坂は、必死に立ち上がったものの、大きくグラつき、池原信遂レフェリーがテンカウントを数え上げた。

ベルトを肩にかけ、してやったりの表情のノイナイ。挑む日本人選手はいるか?

「相手が柔軟なボクシングをすると想定していたけれど、思った以上だった。作り上げた柔らかさとは違う。自分のパンチや圧力で(体が)硬くならない相手は初めて」と、坂は衝撃的なKO負けにもかかわらず、気丈に語った。
 新王者ノイナイの戦績は20戦17勝(6KO)2敗1分。敗れた坂の戦績は23戦18勝(15KO)5敗。

単調なリズムで攻めていた久田だが、最後はテンポを変えたコンビネーションで仕留めた

 セミファイナルに登場した前日本ライトフライ級王者で、現在WBAとWBOで同級1位につけている久田哲也(34 歳=ハラダ)は、インドネシア・フライ級王者スティヴァヌス・ナナ・ブーと50.0kg契約8回戦を行い、5回3分1秒KO勝ち。
 

 スピードとシャープさを持つブーだが、久田のプレスを初回から受け続けて下がりっぱなし。ひたすら追いかけながら連打を繰り出していく久田だったが、追うテンポやコンビネーションがパターン化してしまい、単調さが浮き彫りになった。
 5ラウンド、左フックで大きくのけ反らせた久田は、右から左ボディブローを返すと、これがドンピシャリ。ブーはたまらずキャンバスに倒れ、苦悶の表情を浮かべながらテンカウントとなった。

「5ラウンドまでかかってしまった」と場内に詫びた久田だが、「秋口ころに世界戦ができるよう、ジムが交渉してくれています」と快活に叫んだ。狙いはWBAスーパー王者の京口紘人(ワタナベ)か、過去に日本王座を賭けた対戦が流れたWBC王者・拳四朗(BMB)か。
「戦いたい選手はいっぱいいますが、自信あります」と会場に呼びかけて締めくくった。

文_本間 暁 写真_早浪章弘

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