5月4日(日本時間5月5日)、アメリカ・カリフォルニア州ストックトンにあるストックトンアリーナで行われたIBF世界スーパーフライ級タイトルマッチで、挑戦者1位の船井龍一(ワタナベ=51.9㎏)がサウスポーのチャンピオン、ジェルウィン・アンカハス(フィリピン=51.8㎏)に7回1秒TKO負けを喫した。

上写真=果敢に接近戦を挑んだ船井(右)だったが、アンカハスの巧みな攻撃に遭う

 7回のゴングが鳴ってすぐ、リングサイドドクターのチェックが入る。5回開始直後に続いて2度目のこと。今回は続行を許されなかった。「厳しいですね。目の動きをみられたと思いますが、やらせてくれると思っていました。パンチをもらい続けていたのはたしかですが」(船井)

 初回からアンカハスに左を狙われた。分が悪い中間距離よりも中に入るため、船井は3回に踏み込みを深めてコンビネーションをヒットした。が、打てばアンカハスは三倍返しでパンチを出す。被弾を重ね、4回には船井の足元に踏ん張りが利かなくなってきた。5回あたまのドクターチェックで続行を許された後の6回、船井は自身の武器である右を懸命に狙いに出た。が、右フックからの左、右アッパーに続き、ラウンド終了間際には左フックを被弾。レフェリーは7回にドクターの進言を受けて試合終了を宣言した。

「フナイは私のベストパンチを受けても倒れなかった。チャンピオンの心を持っている。尊敬しかない」と挑戦者を評したアンカハスは、これで34戦31勝(21KO)1敗2分。

 船井は39戦31勝(22KO)8敗となった。昭和生まれ、平成に成熟した33歳が、プロ15年目の令和に花を咲かせる決意で臨んだ世界初挑戦。長年コンビを組んできた高橋智明トレーナーは、「チャンピオンの強さは想定内のことで、やろうと思ったことをやったのですが、相手がうわてでした」と、懸命に戦ったボクサーに寄り添った。

目を閉じて悔しさを露わにする船井

「3回に効いてしまった、やっちゃったな、と思いましたが、5、6ラウンドには自分の手ごたえもありました。獲るつもりだったので、今後のことはまだ何も考えていません……」

 戦いが終わった後、リングから降りるよう促す案内人にことわりを入れて、勝利者インタビューを受けるチャンピオンのもとへ挨拶をしに行く姿があった。初めての海外のリング、初めての世界挑戦でも変わることなく、船井はどこまでも誠実だった。

新たなプロモーター、アラム氏の祝福を受けるベテルビエフ

 この日の興行の最終試合は、IBFライトヘビー級タイトルマッチ。チャンピオンのアルトゥール・ベテルビエフ(ロシア)が13位の挑戦者ラディボエ・カライジッチ(ボスニア・ヘルツェゴビナ)を5回13秒KOで下した。

 これで14戦全KO勝ち。現役世界王者で唯一のパーフェクトレコードは今日も守られた。前プロモーターとの長い係争を終え、トップランクと正式契約後の初戦とあって、気合も満々。スタートから精力的に強打を振って挑戦者に迫った。しかし長身の変則派カライジッチは意外な打たれ強さとスピーディなまとめ打ちで抵抗する。3回にはベテルビエフがダウンを奪うも、試合は続行。4回終了間際の左でカライジッチの足がよたったのを王者は見逃さなかった。5回、2度目のドクターチェックを経て続行を許されたカライジッチに、ベテルビエフはトドメのワンツー、さらに左をヒット。そこでレフェリーが割って入り、試合を止めた。

 リングの上でボブ・アラム・プロモーターとそろって笑顔を見せるベテルビエフは、「次は統一戦がしたい。トップランクとESPNと仕事ができて本当に幸せだ」と話した。これまで試合間隔が空きがちだったが、コンスタントにこの剛腕を披露すれば、もっとポピュラーな存在になれるはずだ。

 圧倒的不利予想の中で奮闘したカライジッチは26戦24勝(17KO)2敗。 

文_宮田有理子 Text by Yuriko Miyata
Photos by Mikey Williams / Top Rank

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