東洋太平洋バンタム級チャンピオン栗原慶太(一力)は10日、東京・後楽園ホールで同級9位のワルリト・パレナス(森岡)とタイトルマッチ12回戦を行い、1回35秒KO勝ちで初防衛に成功した。栗原は東洋太平洋タイトルマッチの最短KOタイムを36年ぶりに更新した。

写真上=栗原の右一発でパレナスは沈んだ

「びっくりした。見えなかった……」。呆然とした顔で挑戦者が振り返った一撃は、開始ゴングが鳴ってから25秒で炸裂した。左を打ちかかるパレナスの肩越しに放たれた右クロス。耳の下あたりを強打されたパレナスはどっと崩れ落ち、立ち上がりかけたものの足元が定まらずカウントアウト。

この間、35秒。1983年に権順天(韓国)が記録した東洋太平洋タイトルマッチの最短KOタイム40秒を、栗原は36年ぶりに更新した。

画像: 会心の一撃を振り返る栗原

会心の一撃を振り返る栗原

「うまく行きすぎました。苦戦を覚悟していましたから」と栗原。倒すつもりで序盤から仕掛けていくのは作戦どおりだったが、早すぎる決着には戸惑いも見せた。ジャブ、左フックと先手を取って攻め込むと、パレナスの反応は思ったより鈍い。これならと踏み込んで打ったら、試合はそれで終わった。始めはプレスをかけたかったというパレナスだが、栗原のスピードに煽られ、打ち返そうとした矢先に記憶を飛ばされた。

栗原は昨年12月、敵地・大阪でストロング小林佑樹(六島)との決定戦に勝って獲得した王座の初防衛に成功した。タイムキーパーの度重なるミスという異常事態にも見舞われたこの一戦。4度ダウンを奪いながらも僅差の判定という試合内容に「12ラウンドの戦い方がなってなかった」と反省。世界挑戦の経験もあるパレナスとの試合には、課題を持って練習してきた。

目指すはもちろん世界。ただ、そこへ行くまでには「日本で一番になってから」とし、対戦したい相手には、日本王者の齊藤裕太(花形)や木村隼人(ワタナベ)らの名前を挙げた。井上兄弟が世界の頂点に君臨するバンタム級で、魅惑のパンチャー栗原の成長が注目される。

文◉藤木邦昭
写真◉小河原友信

This article is a sponsored article by
''.