世界のアマチュアボクシングを統括してきたAIBA(国際ボクシング協会)の財政管理運用やジャッジの不正等が問題視され、オリンピック正式競技からの除外も懸念されてきたボクシングだが、22日(日本時間深夜)、スイス・ローザンヌで行われたIOC理事会で、競技存続方針が発表された。これを受けて23日、東京・岸記念体育館で日本ボクシング連盟の内田定信会長と菊池浩吉副会長がそろって会見。喜びを表しつつ、来年に迫る東京五輪に向けて、気を引き締めた。

上写真=内田会長(左)、菊池副会長は、ガッチリと握手して喜びを表した

 栄えある地元開催に参加できない。そればかりか、アマチュアボクサーたちが最大のモチベーションとする五輪出場という夢の喪失……。そんな競技最大の危機を脱することができたのだ。
「世界中のファン、選手がこの決定を待ち望んできた。本当に嬉しい」(内田会長)、「存続を訴えるにあたり、52万人もの署名を集めた。選手やコーチ陣のモチベーションをどう保つか。そればかりを考えてきた」(菊池副会長)。日本連盟のトップという、責任ある立場の両者は、ホッとした表情を浮かべ、笑顔があふれた。

AIBAの姿勢を徹底的に追求し、かつボクシング競技存続に尽力したトーマス・バッハIOC会長
Photo/Getty Images

 IOCは、AIBAの承認団体資格を停止し、IOC内で競技を管理することを決定。東京五輪に向けた準備、運営を『特別作業部会』が主導することとした。この作業部会は、IOC委員も務める渡邊守成・FIG(国際体操連盟)会長が座長を兼務し、6月末までに五輪の予選方式等が決められる。同予選は来年1月から5月に開催され、男子8階級、女子5階級の計286人の出場枠が争われる。

 日本連盟は6月1、2日の両日に緊急理事会を開き、「『選手選考委員会』を立ち上げ、予選に出場する選手の選考基準を決定する」(菊池副会長)。従来の強化委員会ではなく、新たに選考委員会を設置することについては、「公益化を進めている中で、強化委員会では、委員自身が携わる選手が選考に関わる場合があり、違う作用が働くのではないかということを指摘される可能性がある。そこで、関わっていない方にも加わっていただき、外部からの意見も反映できるようにしたい」と菊池副会長は説明した。その上で、「なぜこの選手が選ばれたのかということが明確になるよう、しっかりとした基準を作って公表したい」とした。

安堵と同時に、緊張感も満ちた日本連盟の会見

 東京五輪のボクシング競技は、来年7月25日から8月9日まで、東京・墨田区の両国国技館での開催スケジュールがある。しかし、すでにチケット販売も始まっている他競技に対し、ボクシングは当然これから。また、レフェリー、ジャッジ等、AIBAの審判員資格を持った人物は派遣されないため、人材確保をどうするかなど、難題は山積みだ。

 だが、“選手ファースト”を掲げ、新たにスタートした日本連盟だ。「選手選考の基準づくりをはじめ、オリンピック開催までの準備等は、組織委員会と連絡を密に取る。墨田区とも引き続き、協力し合う。だから、選手たちは自分自身の準備に集中して頑張ってほしい」(菊池副会長)。

 今後、急ピッチで進められていく状況に注目したい。

写真_善理俊哉

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