アメリカンフットボールのXリーグは、トップリーグ「X1スーパー」開幕節のオービックシーガルズとオール三菱ライオンズの一戦があり、6年ぶりの王座奪還を目指すオービックがオール三菱を48-16で撃破した。

オービックシーガルズ○48-16●オール三菱ライオンズ(8月25日、富士通スタジアム川崎)

画像: 【オービック vs オール三菱】第1クオーター1分、オービックLB寺田がインターセプトリターンTDを決め喜ぶ=2019年8月25日、 撮影:小座野容斉

【オービック vs オール三菱】第1クオーター1分、オービックLB寺田がインターセプトリターンTDを決め喜ぶ=2019年8月25日、 撮影:小座野容斉

 オービックが快勝した。第1クオーター(Q)1分、オール三菱最初のオフェンスで、オービックLB寺田雄大が46ヤードのインターセプトリターンタッチダウン(TD)で先制した。4分にはオービックQB菅原俊からTEホールデン・ハフへのロングパスで一気に攻め込むと、RB地村知樹が押し込んでTDを奪った。

 オービックは第2Q4分にも菅原がエンドゾーンのWR木下典明にTDパスをヒット。8分にはRB望月麻樹が豪快な突進でTDを奪いオール三菱を突き放した。後半、オービックは反則で罰退を重ねて、オール三菱に2TDを許したが、成瀬圭汰らのランでTDを重ねて、試合を締めくくった。

画像: 【オービック vs オール三菱】第1クオーター、オービックQB菅原からTEホールデンにロングパスが決まり58ヤードをゲイン=2019年8月25日、 撮影:小座野容斉

【オービック vs オール三菱】第1クオーター、オービックQB菅原からTEホールデンにロングパスが決まり58ヤードをゲイン=2019年8月25日、 撮影:小座野容斉

 王座奪還のカギ握るRB三銃士

 開幕戦はQBスカイラー・ハワード、RB李卓、DLジェイソン・ファナイカ、LB岩本卓也らをあえてメンバーから落としたオービック。スコアから見れば順調な勝利だが、前半、セーフティーで失点。後半も反則を重ねてリズムを失うなど、課題が多く残るゲームとなった。

 「今の完成度の低さがそのまま試合に出た」と厳しい表情を崩さなかった古庄直樹ヘッドコーチ(HC)に笑顔が浮かんだのが、RB成瀬の活躍に話が及んだ時だ。
「成瀬は良かった。もう(負傷の)怖さもなくなって、思い切りいけるようになった。今日の一番の収穫。ある意味では成瀬に救われたゲームだった」

画像: 【オービック vs オール三菱】第3クオーター1分、オービックRB成瀬が15ヤードを走ってTD=2019年8月25日、 撮影:小座野容斉

【オービック vs オール三菱】第3クオーター1分、オービックRB成瀬が15ヤードを走ってTD=2019年8月25日、 撮影:小座野容斉

 古庄HCが「救われた」と言った意味は直ぐに分かった。
 第4Qの冒頭、オービックオフェンスはドライブするものの反則を重ねて罰退の繰り返しだった。反則二つで30ヤード罰退、ファーストダウンまで36ヤードとなった第4Q8分59秒からのプレー。成瀬は5ヤードほどの地点でボールを受け取ると、ランアフターキャッチで20ヤード近くを走り、23ヤードをゲインした。サードダウン13ヤードという「普通のシチュエーション」まで挽回したオービックは、次のプレーでRB地村が31ヤードを走り、ゴール前へ。QB荒木裕一朗のパスTDにつなげた。

画像: 【オービック vs オール三菱】第4クオーター、オービックRB地村が31ヤードを走って、ゴール前まで攻め込む=2019年8月25日、 撮影:小座野容斉

【オービック vs オール三菱】第4クオーター、オービックRB地村が31ヤードを走って、ゴール前まで攻め込む=2019年8月25日、 撮影:小座野容斉

 オービックは、次のオール三菱のオフェンスで、またも反則から攻め込まれてTDを奪われるが、直後のオフェンスで成瀬が外に走ると見せてインサイドへカットを踏み、37ヤードの独走TDを決めた。
 成瀬は、この試合ラン66ヤード2TD、パスレシーブ23ヤード。数字以上に、負の循環を、好プレーで断ち切ったのは大きい。

画像: 【オービック vs オール三菱】第4クオーター10分、オービックRB成瀬が37ヤードを走って、自身この試合2本目のTD=2019年8月25日、 撮影:小座野容斉

【オービック vs オール三菱】第4クオーター10分、オービックRB成瀬が37ヤードを走って、自身この試合2本目のTD=2019年8月25日、 撮影:小座野容斉

 25歳の成瀬は、国立の難関校、名古屋大学の出身。179センチで100キロ近い大型ながら、パワーに加え、直線のスピードが速く、期待の若手だ。昨年6月のパールボウルで、左ひざの十字じん帯を断裂する重傷を負い、1年近くの療養とリハビリを重ねて、今春復帰した。
 成瀬と同期で主将の地村は、成瀬の復活に刺激を受けるように、この試合98ヤード1TDを記録した。

 しかし、この二人には、もっと強力な同期のライバルがいる。RB李卓だ。大学生で日本代表に選ばれ、常に日本のトップとして活躍してきた李は、この試合は出場登録メンバーから外れた。エネルギーを持て余すかのように、サイドラインの後ろで腕立て伏せを繰り返していた。米国の「スプリングフットボールリーグ」にも挑戦、進化を続ける24歳は、肩や腕の筋肉が一段と盛り上がっていた。体重は92キロだという。

 数年前に、前田眞郷、西村有斗、水野太郎のオービックのレシーバートリオを「三銃士」として取り上げた。RBにも同期の「三銃士」がいる。彼らが、ライバル心をたぎらせ、競争のレベルが上がれば上がるほど、オービック悲願の王座奪還は現実味を帯びていくだろう。【写真/文:小座野容斉】

 

画像: 【オービック vs オール三菱】オービックの先発QB菅原はパス186ヤード1TD 積極的にロングパスを狙うなど、実力は健在だ=2019年8月25日、 撮影:小座野容斉

【オービック vs オール三菱】オービックの先発QB菅原はパス186ヤード1TD 積極的にロングパスを狙うなど、実力は健在だ=2019年8月25日、 撮影:小座野容斉

画像: 【オービック vs オール三菱】第1クオーター、オービックLB塚田がオール三菱RB萩原を低く正確なタックルで止める=2019年8月25日、 撮影:小座野容斉

【オービック vs オール三菱】第1クオーター、オービックLB塚田がオール三菱RB萩原を低く正確なタックルで止める=2019年8月25日、 撮影:小座野容斉

画像: 【オービック vs オール三菱】第2クオーター、パスを捕球したオービックWR西村がランアフターキャッチで32ヤードのゲイン=2019年8月25日、 撮影:小座野容斉

【オービック vs オール三菱】第2クオーター、パスを捕球したオービックWR西村がランアフターキャッチで32ヤードのゲイン=2019年8月25日、 撮影:小座野容斉

画像: 【オービック vs オール三菱】第2クオーター4分、オービックWR木下がQB菅原からTDパスをキャッチ、OL玉村が祝福する=2019年8月25日、 撮影:小座野容斉

【オービック vs オール三菱】第2クオーター4分、オービックWR木下がQB菅原からTDパスをキャッチ、OL玉村が祝福する=2019年8月25日、 撮影:小座野容斉

画像: 【オービック vs オール三菱】第3クオーター、オービックDT清家がオール三菱QB谷口にプレッシャーをかけ、投げたパスを叩く=2019年8月25日、 撮影:小座野容斉

【オービック vs オール三菱】第3クオーター、オービックDT清家がオール三菱QB谷口にプレッシャーをかけ、投げたパスを叩く=2019年8月25日、 撮影:小座野容斉

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