2022年7月に米アラバマ州バーミンガムで開かれる国際スポーツ競技会「ワールドゲームズ」で、フラッグフットボールが追加種目となることが、7月15日、大会組織委員会から発表された。米プロフットボールNFLと国際アメリカンフットボール連盟(IFAF)が、国際ワールドゲームズ協会(IWGA)と協力関係を結んで実現することになった。11月6日にIWGAの総会で正式決定となる。【小座野容斉】

NFLとIFAFが協力

 ワールドゲームズのフラッグフットボールは男女それぞれ8カ国が出場、 開催国の米国以外は、 IFAFによる予選で決定する。

 ワールドゲームズは、五輪に次ぐ規模の世界的な総合スポーツ大会。IWGAが主催、国際オリンピック委員会(IOC)が後援して4年に一度、夏季五輪・パラリンピック競技大会の翌年に開催される。バーミンガム大会が11回目で、本来は2021年の開催予定が、夏季五輪東京大会に合わせて1年延期となったもの。2022年7月7日から17日まで開催される。

 ワールドゲームズの競技種目は、五輪で採用されておらず、開催地の既存競技施設で実施可能であること、世界選手権大会が定期的に行われていることなどを条件に、IWGA理事会が大会の3年前までに決定する。

画像: ワールドゲームズ2022年バーミンガム大会のロゴマーク(中央)

ワールドゲームズ2022年バーミンガム大会のロゴマーク(中央)

【解説】五輪と密接な関係持つワールドゲームズ

 日本人にはなじみの薄いワールドゲームズだが、フラッグフットボールの競技化は大きな意味を持つ。

 IFAFは、2028年夏季五輪ロサンゼルス大会でフラッグフットボールの五輪競技化を目指している。一方で、近年の夏季五輪の新採用競技は、大半がワールドゲームズを経ているため、五輪競技化へ大きな一歩となった。アラバマ州はアラバマ大学やオーバーン大学など、NCAAの強豪大学がひしめく「フットボールステート」で、観客も含めた盛り上がりも期待できる。

 NFLの協力も見逃せない。プレミアムパートナーであるNFLは、 2022年までの2年間、 フラッグフットボールの国際的なプロモーションを強化していくという。それだけではない。フラッグフットボールがワールドゲームズで定着し、五輪競技に昇格すれば、将来的には、米国などの代表としてNFL元選手の五輪参加にも道を開く可能性がある。

 IWGAはIOCと協力関係にあり、ワールドゲームズは第3回大会(1989年)からIOCによる後援を受けている。2000年10月にはIWGAとIOCの間で「相互協力に関する覚書」が調印され、これによりIWGAはIOCから「ドーピングテストの費用負担」「各国オリンピック委員会によるワールドゲームズ参加者の支援要請」などで協力を得られるようになった。

 2014年のIOC臨時総会で、IOCとIWGAの緊密な協力が盛り込まれた「オリンピック・アジェンダ2020」も承認されており、関係はますます強化される方向にある。

 ワールドゲームズは、1980年の夏季五輪モスクワ大会が、ソビエト連邦(当時)のアフガニスタン侵攻に抗議する米国や日本を初めとする西側諸国のボイコットによって「片肺開催」となった翌年の1981年に、新たに東西の垣根を越えて集まる大会として始まった。

 費用の巨額化、行き過ぎた国威の発揚、勝利偏重主義など現代五輪が抱える問題点への反省から、選手村を作らず選手は既存の宿泊施設に競技別に宿泊、競技は既存の施設で開催できる競技種目のみで実施するため、少ない費用で開催できるなどの特徴がある。日本では2001年に秋田で第6回大会が開催された。

ワールドゲームズ競技から五輪競技に採用されたスポーツ

バドミントン▽野球▽ソフトボール▽テコンドー▽ビーチバレーボール▽女子重量挙げ▽トライアスロン▽7人制ラグビー
(以下は東京五輪から)
空手▽ローラースポーツ(スケートボード)▽スポーツクライミング▽サーフィン

ビンセント氏「世界中のファンに価値を提供する競技」…関係者のコメント

ワールドゲームズ 2022 ニック・セラーズCEO
「ワールドゲームズ 2022 は、世界的なパンデミック後のアメリカで、この最初の主要な 国際スポーツイベントが持つ重要性を、NFL が認識していることに感謝しています。世界 は、再びつながることを待ち望んでいますので、アラバマとバーミンガムが、そこに重要 な役割を果たすことになるでしょう。NFL とのパートナーシップは、そのブランドがこの イベントと関わることの大きな意味を、あらゆる国に発信していくことになるでしょう」

NFL トロイ・ビンセント上級副社長
「フラッグフットボールがワールドゲームズ 2022 の種目に入るということは、このスポーツ が国際的で、世界中のファンに価値を提供するものだということを意味します。フラッグフッ トボールは、すべての年齢、体格、および運動能力の男女に、フットボールだけが提供できる、 価値や競技機会を楽しんでもらうことになるでしょう」

NFL ダマニ・リーチ国際担当COO
「NFL は、世界中のフットボール選手がスキルを示すショウケースとなるワールドゲーム ズ 2022 にフラッグフットボールが加えられたことに、興奮を覚えずにいられません。NFL は世界中のアスリートがあらゆるレベルのフットボールに参加する機会を提供することを 約束しており、IFAFがフラッグフットボールをワールドゲームズの追加種目とする努力 をサポートとしてきましたし、これは今後 IFAF がオリンピックを目指すためにも、大き な前進です。私たちは、バーミンガムに出場するチームを決定する予選大会をしっかりと 支援していきます」

IFAF リチャード・マクリーン会長
「IWGA およびワールドゲームズ 2022 組織委員会との正式な協力が得られることになり、 うれしく思います。国際的なマルチスポーツ大会で初めてフラッグフットボールが見られ ることになります。フラッグフットボールは子どもから大人まで幅広く、ダイナミック な動きが楽しめるスポーツですが、ワールドゲームズ 2022 で一流選手が競うことは世界で、このスポーツを始めたい新しい世代へも魅力的に映るものでしょう」

画像: 2005年に行われたワールドゲームズ デュースブルク大会のセレモニー=photo by Getty Images

2005年に行われたワールドゲームズ デュースブルク大会のセレモニー=photo by Getty Images

【外部リンク】ワールドゲームズがNFLと協力 フラッグフットボールを追加

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