新型コロナウィルスの感染拡大により、アメリカ、カナダのフットボールが今どのような状況になっているのか。米NFL、米NCAAフットボール、カナダCFLの現状を探った。【小座野容斉】

 カナダのプロフットボールCFLは、現在、公式戦の試合数を通常の1/3に短縮したシーズンの開幕に向け、リーグとCFLPA(CFL選手会=労働組合)がCBA(労使協定)の交渉中だ。CFLのランディ・アンブロージーコミッショナーは、どんなに早くとも9月以降の開幕と表明している。

 カナダのスポーツ専門局TSNが7月28日に伝えたニュースによると、今季のCFLは、全9チームの選手、スタッフ、関係者を1ヵ所に集め、いわゆる「バブル開催」となる見込みだ。ホテル、練習場、スタジアムで構成され、外部から完全に隔離された「バブル」で、レギュラーシーズン6試合(通常は18試合)を行う。開催のハブ都市候補はカナダ中部マニトバ州のウィニペグだ。

 選手・コーチらは、ウィニペグに向けて出発する前に、自宅で14日間隔離生活を送る。その後、到着時に新しいコロナウイルスの検査を受け、そキャンプが開く前にさらに7日間隔離される。

 カナダ公衆衛生局のテレサ・タム局長によると、CFLのバブル運営は、アイスホッケーのNHLがモデルになる模様だ。両リーグともに、米国人選手に対する検疫体制が、焦点となる。米国人が戦力の大きな部分を担う共通点があるからだ。

 NHLは、カナダのアルバータ州エドモントンとオンタリオ州トロントの2都市に24チームが集結し、8月1日、プレーオフからの再開となる。選手や関係者は原則「バブル」内に隔離される。NHLのフランチャイズは24チームが米国内、7チームがカナダと、米国が3/4以上を占めるが、米国内での感染拡大が止まらないことから、カナダの2都市が選ばれた。

 7月30日現在、新型コロナウィルス感染者数は米国の約440万人に対し、カナダは約11万6千人となっている。

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オプトアウト補償、リーグへの公的支援は?

 CFLが開幕前に解決しなければならない問題は他にもある。

 通常18試合のレギュラーシーズンが6試合となるため、年俸も1/3となる。コロナウィルス感染だけでなく、負傷のリスクを考えた場合でも、「割が合わない」ためにシーズンをオプトアウト(自発的離脱)する選手が出てくる見込みだ。

 NFLでは、リーグと選手会がオプトアウトに対する補償で合意し、改訂版のCBAに盛り込まれたが、CFLではオプトアウトした選手への補償では合意ができていない。ただし、契約最終シーズンの選手がオプトアウトした場合、その選手の契約はそこで切れてフリーエージェンシーの資格は得られるという。

 CFLはNFLに比べてビジネス規模が遥かに小さく財政基盤がぜい弱なため、今季の開催にはカナダの公的金融機関による融資を含む財政支援も必要という。

 昨年、CFLと、日本を含む11カ国で締結したパートナーシップに基づくグローバル選手枠が、どう扱われるのかは依然不明だ。トレーニングキャンプ前に開催されることになっていた、11カ国の海外選手を対象にしたグローバルコンバイン、同ドラフトにについての言及もない。

 シーズンの開催に関する全体の合意がなければ、その先の議論には進めない状態だ。ただし、バブル開催の方向が見えたことで、健康面での安全性はかなり確保できそうだ。

 グローバルコンバイン・ドラフトには、日本からはRB李卓(オービックシーガルズ)、OL町野友哉(京都大学OB)、WR近江克仁(IBMビッグブルー)、DL高谷亮太、LB山岸明生(いずれも富士通フロンティアーズ)、K山崎丈路(オービックシーガルズ)の6選手が参加予定だった。

画像: 2020年シーズン、「バブル開催」で単一の競技場として使用を見込まれるウィニペグ市の「IGフィールド」=2014年10月  (Photo by Getty Images)

2020年シーズン、「バブル開催」で単一の競技場として使用を見込まれるウィニペグ市の「IGフィールド」=2014年10月 (Photo by Getty Images)

画像: 2020年シーズン、「バブル開催」で単一の競技場として使用を見込まれるウィニペグ市の「IGフィールド」=2014年8月  (Photo by Getty Images)

2020年シーズン、「バブル開催」で単一の競技場として使用を見込まれるウィニペグ市の「IGフィールド」=2014年8月 (Photo by Getty Images)

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