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2020-10-22

日本ハム・吉田輝星投手 甲子園が生んだスター右腕の2020初勝利なるか?/2年目の明暗


次代のエース候補として飛躍が期待される吉田輝星

 注目された2年目は一軍で2試合に先発したが、まだ勝利はなし(成績は10月21日現在)。その中で成長も感じさせる面もあれば、課題もある。進化している点は変化球の精度が少し安定してきたことだ。オフから磨いてきたフォークがボールがウイニングボールの1つに加わった。スライダーやカーブも織り交ぜながら、真っすぐとのコンビネーションで打者を打ち取るパターンを確立し始めた。

 二軍では12試合に先発し、59回2/3を投げて60奪三振(21日現在)。強い真っすぐを投げているからこそ、変化球も生きる。真っすぐの質を上げた要因は、投球フォームが固まりつつあることも大きい。昨季は投げるごとにフォームが変わると言われたほど、投げ方が定まらなかった。試行錯誤しながら、体にすり込んだフォームから繰り出す真っすぐ力強さが増し、1年目以上の奪三振能力を身に付けた。

 一方で課題も多い。その1つは気持ちとパフォーマンスをシンクロさせること。注目を集めるほど集中力も増すタイプだが、現在はそれが力みにつながる。一軍での2度の先発機会では力みから真っすぐが高めに浮く場面やキレを失うなど、思いどおりのボールが投げられなかった。

 今季2度目の先発となった9月27日のオリックス戦(京セラドーム)では初回から乱調。打球が左すねに直撃するアクシデントもあったが、修正することができずに2回途中で降板した。調子が悪い中でも試合をつくる対応力も必要だ。ファームである程度の結果を残せるようになってきているだけに、あとは一軍で自分の力を発揮していくか。この壁を乗り越えれば、エースへの道が開けてくる。

 シーズンも残りわずかとなった10月22日のソフトバンク戦(札幌ドーム)、吉田輝星が再び一軍の先発マウンドに上がる。さあ、2020年初勝利を手にすることができるか?

写真=BBM

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