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2020-11-12

【相撲】相撲編集部が選ぶ11月場所5日目の一番

連日十両の土俵を沸かせる宇良が、“伝家の宝刀”居反りをプロ入り後初めて決めた

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宇良(居反り)旭秀鵬

 左足首を負傷し、4日目は踏ん張れずに敗れた新大関正代が5日目から休場。痛みに耐えて頑張ってほしかったが、「土俵に上がるのが怖い」ということなので、しっかり治してもらいたい。

 横綱、大関が4人休場と幕内が盛り下がってしまったが、十両では16場所ぶりに関取復帰を果たした宇良が館内を沸かせてくれた。

 旭秀鵬と対戦した宇良は、相手の突きをかわして低く潜り込み、左を差されると相手の左脇に頭を入れ、相手の左腕を肩越しに右腕で取り、後方に反りながら倒した。決まり手は居反りとなったが、動きは襷(たすき)反りだった。

 宇良は左手で相手の左足も取ろうとしたが手が掛からず、これが掛かっていれば完全な襷反りだった。襷を掛けたような形になるので、この名がついている。宇良としては平成29年1月場所で襷反りを決めているので、居反りでよかったのだろう。十両での居反りの決まり手は、平成5年1月場所12日目に智ノ花が花ノ国に決めて以来27年ぶり。学生時代に「居反りの宇良」と言われていたが、プロでは初めて決めた。

「自分でもびっくりしました。危ないですけど、自然に体が動きました。たまたまそういう動きになったんです。居反りとかじゃなく、白星をつかめたことが一番ですね」とリモート取材に応じた宇良。

 序盤の5日間を終わって3勝2敗とし、「白星先行といっても1つだけですからね。十両は厳しいですよ。あと10日あるんで頑張りたいです」と連日、必死の土俵が続いている。

 今後も反り技が期待されてしまうが、「正面から押していく相撲を取っていくので、居反りを期待されても困ります」と宇良。場所前には、「何が何でも勝ち越したい」と語っており、久しぶりの十両でも思い切り相撲が取れている。このまま順調に番付を戻していって、幕内上位力士との対戦が見たいものだ。

文=山口亜土





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