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2020-11-13

【相撲】相撲編集部が選ぶ11月場所6日目の一番

対戦成績2連敗中の北勝富士を、長い相撲の末叩き込みで降し4勝目をあげた新関脇隆の勝

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隆の勝(叩き込み)北勝富士

 今日から中盤戦。6日目を終えて幕内の勝ちっ放しは大関貴景勝、小結照ノ富士、平幕の千代の国の3人となったが、一番の熱戦だった隆の勝-北勝富士戦を取り上げたい。

 これまで2回対戦して北勝富士が2連勝。先場所は北勝富士が当たってからのイナシで隆の勝を泳がせ、簡単に送り出している。新関脇に昇進した隆の勝としては雪辱したいところだ。

 押し相撲の両者だが、組むとしたら北勝富士が左、隆の勝は右四つだ。北勝富士は立ち合いで右上手を取りにいくも、上手には手が届かず、突き合ってから右四つの体勢。土俵中央で北勝富士が頭をつけ、左からおっつけて右はハズ押しで上体を起こしにかかる。隆の勝が引いて互いの体が離れるも、再び同じ形に。隆の勝が右をこじ入れようとすると、北勝富士は相手の右手首をつかんで許さない。

 長い相撲となり、館内から拍手が送られる中、北勝富士が低い体勢で前に出たが、隆の勝のタイミングのいい叩きに横転。隆の勝が攻防のある50秒の相撲を制して、ともに4勝2敗となった。

「気の抜けない状況だったけど、落ち着いて圧力をかけられたのでよかった。右を差させないようにしてきたので、こっちはねじ込んでやろうと思った。最後はとっさに体が動きました」と隆の勝。敗れた北勝富士は、「最後は頭が下がりすぎた」と悔やんだ。

 隆の勝の地力が伸びてきたのは、貴景勝が移籍してきてから。格上の相手に稽古場で歯が立たなかったが、右を差したときは前に運ぶことができた。貴景勝から「右差しの形、いいんじゃないですか」と言われ、突き押しだけでなく、右差しの相撲も磨いてきた。

「右を差すと安定感があって、安心して相撲が取れます」と隆の勝は語る。対戦相手も右を差させないように対策を練ってくるようになった。今場所は2横綱2大関が休場で、上位は同部屋の貴景勝だけ。番付が上の力士とは、半枚上の御嶽海としか当たらないので大勝ちの可能性もある。

 朝乃山が休場してからは、西の土俵入りの最後を務めており、東西制なら西の総大将。「土俵入りのときに『最後は関脇隆の勝』って放送されるのが、本当にうれしいんですよ」と“おにぎりスマイル”を見せてくれた。

文=山口亜土


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