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2020-11-15

クロフォード、最強王者の貫禄。古豪ブルックをTKO

圧巻の強さを見せ、世界戦8連続ストップ勝ちを収めたクロフォード

WBO世界ウェルター級タイトルマッチ、チャンピオンのテレンス・クロフォード(アメリカ)対挑戦者ケル・ブルック(イギリス)の12回戦は14日(日本時間15日)にアメリカ・ネバダ州ラスベガスで行われ、クロフォードの強打が炸裂、4回1分14秒TKO勝ちで、4度目の防衛に成功した。

 体重が同じと仮定して最強を決めるパウンドフォーパウンドのランキングで井上尚弥(大橋)と激しくつばぜり合いを演じるクロフォードは、どこまでも鋭いパンチとともに、危機管理能力の高さを見せた。本領を発揮し始めると、かつてIBF世界ウェルター級チャンピオンとして一時代を作ったブルックを一気に粉砕した。

 このところずっとサウスポースタイルで戦ってきたクロフォードが、この日はオーソドックススタイルでスタートする。3年ぶりにウェルター級の体重(リミット66.7キロ)を作ったブルックもさるもの。的確な左ジャブでクロフォードの顔を跳ね上げる。最初の2ラウンドははっきりとクロフォードの劣勢に映った。
 しかし、3ラウンドの入ると、クロフォードの攻撃のテンポが急激に上がる。ラウンド終盤にはサウスポーにチェンジして、ブルックをさらに追いつめていく。

 フィニッシュはすぐにやってきた。続く4ラウンドだ。クロフォードの右ショートがジャストミート。ブルックはがくんがくんと体をばたつかせたまま、ロープに体ごと突っ込む。すかさず、追撃したチャンピオンを押しとどめて、レフェリーのトニー・ウィークスがカウントを取った。何とか再開に応じたブルックだが、ダメージは深い。クロフォードの追撃にバランスを失ったままで、すぐにストップがかかった。

「ブルックは実力者だが、私のほうが強いということだ」

 余裕の表情で振り返ったクロフォードは、レジェンド、マニー・パッキャオ(フィリピン)との対戦を熱望した。これで37戦全勝(28KO)。

 セミファイナルとして行われたWBA世界スーパーフライ級タイトルマッチは、わずか2回で不可解な結末となった。チャンピオンのジョシュア・フランコ(アメリカ)は、6月にこのタイトルを奪った相手アンドリュー・マロニー(オーストラリア)と初防衛戦だったが、初回から右目が腫れて視界を失ってしまう。2週間前に井上尚弥に敗れたジェイソンの弟、アンドリューがその後は一方的にヒットを重ねた。3回開始前、2度目のドクターチェックを受けたフランコにレフェリーは続行不能として試合は終了する。

 しかし、ここから話はもつれた。レフェリーはフランコの腫れはバッティングによるものと判断したが、マロニー・サイドはこれに抗議する。バッティングによるものなら無効試合(ノーデシジョン)、パンチによるものならマロニーのTKO勝ちになる。実際に頭がぶつかった形跡もなく、コミッション席の判断は遅れに遅れる。時間にして30分以上。ビデオ検証や審判の意見を聞きながら結論を探ったが、結局は無効試合になってしまった。

 なお、日本での同じケースは負傷引き分けになる。海外ではローカルルールでさまざまながら、アメリカでは試合は成立していないとして、無効試合になることが多い。

写真◎ゲッティ イメージズ

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