close

2020-11-18

【ボクシング】「集客増やし、かつ安全も守る!」。元日本王者・矢田、奥本ら出場の枚方興行。

会見に臨んだ本石会長(中央)と矢田(左)、前田

全ての画像を見る
 元日本ウェルター級チャンピオン(現同級5位)の矢田良太(31歳)、前日本スーパーフライ級チャンピオン(現IBF10位、日本3位)の奥本貴之(28歳)らが出場する『CRASH BOXING vol.21 in枚方』(グリーンツダジム主催、12月27日・大阪・枚方市立総合体育館)の概要が18日、リモート会見で発表された。

一見コワモテだが、愛嬌あふれるキャラが人気の矢田
一見コワモテだが、愛嬌あふれるキャラが人気の矢田

 8月9日に同会場で行われた『vol.20』で再起を飾った矢田は、「こんにちは! “浪速のターミネーター”です」とおなじみの挨拶で登場。「豪快なボクシングで、必ずKO勝利を地元・枚方のみなさんに届けたい」。

王座陥落し、ハングリーな奥本
王座陥落し、ハングリーな奥本

 同日、復帰戦を行う予定だったが、相手選手が棄権。昨年12月に日本王座4度目の防衛に失敗し陥落して以来の登場となる奥本は、「3月から弁当屋でアルバイトを始めて、“まかない”で食いつないできた。この1年で成長した姿を見せて、スカッとKOで勝ちたい」。

 矢田、奥本ともに「東洋太平洋王座の前哨戦」(本石昌也会長)と銘打つ。矢田は「長濱(陸=角海老宝石)選手の年明けに予定されている防衛戦の勝者」、奥本は「奥本に勝って日本王者となった中川(健太=三迫)選手と(WBOアジアパシフィック王者)福永(亮次=角海老宝石)選手が2冠プラスOPBF王座を賭ける3冠戦(12月14日・後楽園ホール)の勝者」に照準を合わせているという。

 会見は欠席した日本ユース・スーパーバンタム級王者・下町俊貴は今月4日で24歳に。ユース戦出場資格のある23歳を超えたが、「『王者が年齢制限を超えた場合は1試合のみ可』とする“緩和枠”が適用」され、2度目の防衛戦に臨む。
「これでユースは卒業となりますが、新人王西軍代表決定戦(2017年11月)で2-0判定勝利した千場選手との再戦は、成長した姿をしっかりと見せて、きっちり勝ちます」と、本石会長によりコメントが代読された。

日本拳法のスター選手から頂点を目指す前田
日本拳法のスター選手から頂点を目指す前田

 今月3日に予定されていたWBA世界ライトフライ級戦前座に出場予定だった、昨年度全日本フェザー級新人王で日本同級21位の前田稔輝(じんき=24歳)は、興行自体が中止となり、試合が浮いた状態だったが、カードはそのままで、この日にスライド。「来年に向けて勢いをつけられる試合をしたい」と語った。

 8月の同会場には900人の観衆が集まったが、「JBC(日本ボクシングコミッション)、JPBA(日本プロボクシング協会)ともに、新型コロナウイルス対策についてお褒めの言葉をいただいた」と本石会長。「観戦者はまた増えている状況ですが、ここで立ち止まっては、立ち上がるのが困難になる。集客を減らすのではなく、逆に増やしたい。今回は1300~1500人を予定しています」と強気。しかし、それだけの根拠がある。
 前回8月の際も、総合病院を貸し切り、前日の計量、PCR検査を実施。選手、スタッフはそのままチャーターバスでホテルへ移動し、缶詰め状態に。当日もバス移動で、外部とは一切接触しない状況をつくった。また、来場者の安全を確保するために警備員30人、医療スタッフも10人体制を敷き、来場者全員にフェイスシールドも配布した。万が一体調の悪い観客が発生した場合は、選手同様に総合病院に送迎される態勢を整えたという。それらは今回も踏襲される。
「ソーシャルディスタンスについても、集客を増やしてもかなり余裕がある」という。さらに、同ジム選手に関しては「7月から毎月、PCR検査を受けさせてきた」とのことで、試合ひと月前、10日前、さらに前日と、複数回の検査を予定しているという。

 観客増と、感染リスクの軽減。一見、相反する事柄だが、「成功例をつくって、日本ボクシング界に希望を与えたい」と本石会長は、自信と自負ある“チャレンジ精神”を強調した。

★CRASH BOXING vol.21 in枚方
12月27日(日) 16時30分開場 17時30分開始

■ウェルター級8回戦
矢田良太(グリーンツダ)─出田裕一(三迫)

■53kg契約8回戦
奥本貴之(グリーンツダ)─古谷昭男(六島)

■日本ユース・スーパーバンタム級タイトルマッチ8回戦
下町俊貴(グリーンツダ)─干場悟(蟹江)

■フェザー級6回戦
前田稔輝(グリーンツダ)─大久保海都(寝屋川石田)

■ミニマム級4回戦
原田龍輔(岐阜ヨコゼキ)─初田翔(寝屋川石田)

■女子アトム級4回戦
村井理(グリーンツダ)─相手未定

■スーパーフェザー級4回戦
北園龍一(グリーンツダ)─ハンマータク(岐阜ヨコゼキ)

ボクシング・マガジン 12月号 | BBMスポーツ | ベースボール・マガジン社

2020年11月13日発売BBM0292012A4判定価 本体1045円+税ContentsCOLOR GRAVURE日米総力特集井上尚弥――伝説は第2章へ。ジェイソン・マロニー戦ラスベガス現地レポート/杉浦大介精密右カウンターで"聖地"の...

取材_本間 暁

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事



RELATED関連する記事