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2020-12-02

【陸上】「優勝すればタイムもついてくる」相澤晃が挑む東京五輪

初めてオリンピックの代表選考会に挑む相澤

12月4日、大阪・ヤンマースタジアム長居で行われる五輪代表選考会となる日本選手権・長距離。近年、学生界の長距離界を沸かせてきた相澤晃(旭化成)は10000mで代表内定条件の「優勝+参加標準記録突破」に挑む。

※この記事は「陸上競技マガジン2020年12月号」に掲載した記事に加筆、訂正したものです。

残り2000mからの猛スパート

 27分55秒76。相澤晃が学生駅伝で見せてきた走りからすれば、出して当然のタイム、と見る人は多いだろう。だが実業団初レース、9カ月も実戦から遠ざかった試合で出した10000m 27分台は、その能力の高さを感じさせる。相澤は宮崎県長距離記録会(10月17日)において、どのようなレース展開で自身初の27分台を出し、何を感じたのだろうか。

──フィニッシュしたときはどんな気持ちでしたか。

相澤 今回はガッツポーズが出てしまいました。いつも記録会ではしないのですが、旭化成の名前の入ったユニホームでの初めてのレースだったので、喜びがありました。100%ではありませんでしたが久しぶりのレースで、しかも狙ったレースでの27分台でしたから。今後につながる走りでした。

──5000m通過は14分03秒ということですが、その後はどんな展開でしたか。

相澤 67秒台後半(400m)のペースで進んでいましたが、ペースメーカーが行ききれず、6000mあたりで68秒台後半まで落ち、(1000m毎も)2分50秒以上かかり始めました。7100mから村山謙太さん(旭化成)が引っ張ってくれましたが上げきれず、先頭を譲って、7500mから西山(和弥・東洋大4年)が前に出て66秒台に上げてくれた。8000mから僕が先頭に立って残り2周で西山が離れました。最後の2000mは5分21秒で、思っていたよりもペースを上げられましたね。5000mの自己記録(13分34秒94=19年金栗記念)のときのラスト2000mと同じか、そのときより少し速かったかもしれません。

──駅伝などのロードと今回のようなトラックでは、走り方を変えていますか。

相澤 ロードは距離も長くなりストライドだけでは持たないので、ピッチを意識します。トラックではストライドで最後まで楽に行くことを考えています。昨年5月のゴールデンゲームズ(28分35秒90)は力んでしまいましたが、今回はリラックスして大きいストライドで走り切れましたね。残り2000mからは、それまでは前の選手のピッチに合わせていましたが、自分のリズムでピッチを上げていきました。

──学法石川高(福島)の同級生である阿部弘輝選手(住友電工)の27分56秒45を0秒69上回りました。

相澤 少しだけど抜いたぞ、とLINEで送りました。阿部の記録は97年生まれの学年でトップのタイムだったので、それがうれしくて。伊藤(達彦・Honda)も7月に27分58秒43を出しました。伊藤ならいつでも出せると思っていましたが、先に出されるとやはり悔しかったです。

構成/寺田辰朗 写真/旭化成陸上競技部

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