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2020-12-04

1年半ぶりミニマム級日本タイトル戦、谷口将隆が圧勝で新チャンピオンに

谷口(右)は効果的なボディ攻撃で佐宗を圧倒していった

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日本ミニマム級王座決定戦、1位の谷口将隆(26=ワタナベ)対3位、佐宗緋月(25=T&T)の10回戦は3日、東京・後楽園ホールで行われ、谷口が初回からダウンを奪うなど、佐宗を終始圧倒して、10回37秒、レフェリーストップによるTKO勝ちを収めた。なお、谷口のセコンドにはWBA世界ライトフライ級王者の京口紘人(ワタナベ)がついていた。

  前チャンピオンの田中教仁(三迫)の防衛戦以来、日本ミニマム級のタイトルマッチが行われるは、なんと1年半ぶり。新型コロナウイルス流行による興行の停滞もあったとしても、なんとも寂しい。ミニマム級は暫定も含めれば、これまでのべ22人もの世界チャンピオンを生んできた日本の十八番と言えるクラスである。そのナショナルタイトルが、こんなに長い間、争われることがなかったのだ。当然、新チャンピオンは世界への路線を歩むことになるだけに、好ファイトが期待された。だが、この一戦、世界挑戦の経験を持つ谷口が、力の差を見せつけただけの展開に終わる。

  初回、じりじりとプレッシャーをかけるサウスポーの谷口が、左ストレートをボディに決めると、佐宗は尻もちをついてしまう。バランスを崩しただけのダウンだったが、流れはこれではっきりとした。圧倒的なスピードの違いもあって、その後も中間距離からの鋭い左ストレートがボディを中心に次々にヒットしていった。

  5回終了時に公開されたスコアは3ジャッジそろって50対44。ただし、谷口に攻めはだんだんと一本調子になっていて、フィニッシュに至る気配は見えなかった。

  6回、谷口のペースが落ちると、佐宗のしぶとさがその片鱗を見せてくる。もみあいからの強引な右が何発か顔面をかすめていった。

最終回、谷口の上下攻撃に反応できない佐宗についにレフェリーストップがかかる

  谷口が流れを再び呼び戻したのは8回。インファイトから上体の動きで佐宗の空振りを誘うと、ショートパンチを立て続けにヒットする。谷口のボクシングに一気に精彩が蘇った。あとはひたすらの一方的な展開。最終回、谷口の左ボディブローから、顔面へのワンツーが当たったところで、レフェリーがストップをかけた。

「素直にうれしい。世界王座以外では、一番欲しいタイトルでした」

  過去、WBOアジアパシフィックの王座を手にしたこともある谷口は、ナショナルタイトルの重みを実感していた。また、セコンドについた同僚の京口については、「的確な指示を出してくれました」と感謝の弁だった。

文◎宮崎正博 写真◎小河原友信

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