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2020-12-11

【箱根駅伝の一番星】神奈川大で予選会チーム1位の呑村大樹 名前もトーク力も異色の逸材が3年目の正直

陸マガの箱根駅伝カウントダウン企画「箱根駅伝の一番星」は出場20校の注目選手を紹介。神奈川大で箱根駅伝予選会チームトップだった呑村大樹(3年)は、3年目にして初の箱根出場を目指す。異色のトーク力に加え、コロナ禍で磨いた走力に注目を!

都大路と都道府県駅伝でも好走の実力者

 箱根駅伝の予選会、神奈川大のトップでフィニッシュしたのは3年生の呑村大樹だった。タイムは1時間02分06秒。トータルでも17位と、各大学のエース級の選手と堂々と渡り合った。タイムを見て呑村自身も驚いたという。

「予想以上で、びっくりです。自分にそこまでの実力があるのかと半信半疑で(笑)」

 大阪出身からなのか、トーク力が抜群。神奈川大では珍しいタイプだ。

 大阪高校時代は、全国高校駅伝、都道府県対抗駅伝ともに1区を走り、区間一ケタの順位を残した実力者。今季、神奈川大の主将を務める北﨑拓矢も同じ大阪府出身だったこともあり、呑村のことを高校時代から知っていた。

「呑村という名前がまず目立つじゃないですか。それに駅伝も強かったので、結構、招集所では存在感を放ってました」

 駅伝での実績を残していただけに、入学後も即戦力になることが期待されたが、昨季まで出番はナシ。その理由を聞いてみると、大学生活になじむまで時間がかかったという。

「高校時代は実家からの通いでしたし、神奈川大に入ってからは練習や寮生活に慣れるのに、半年くらいかかりました。どうも集団生活が苦手で……(笑)。ただ、高校の恩師から『大学で勝負できるのは3年生から』と言われていたので、ようやく力が身についてきたのかな、と思います。でも、時間かかり過ぎですよね?」

 3年生になった今年、呑村にとって幸いしたのは、コロナ禍によって実家に帰省できたことだ。

「寮生活が苦手なのは、自分のペースで生活ができないことなんです。実家だと、自分のリズムで生活ができて、練習も自分で決められるので、やりたいことができました。あまり熱心に取り組んではいなかった筋トレも、『こういうときこそ、やらないとダメだ』と自分のペースで進められたことが、予選会の結果につながったのかと思います」

 箱根駅伝本戦に向けては、明快な課題が残っているという。

「予選会のハーフの距離も、だましだまし走っていたような感じだったので、スピードを磨いて勝負したいです」

 独特の明るさを持つ呑村。本戦での走りが楽しみだ。


あああ
箱根ではスピードを磨いて勝負したいと語る呑村(左)

のみむら・だいき◎1999年11月18日、大阪府生まれ。171cm・59㎏、A型。寝屋川九中→大阪高(大阪)。自己ベストは5000m14分11秒70、10000m29分02秒58(共に2019年)、ハーフ1時間02分06秒(2020年)。大阪高3年時に都大路1区8位、都道府県駅伝1区9位の実績を持つ。11月の箱根予選会では個人17位、チーム1番手に。呑村にとっての箱根駅伝とは「三度目の正直」(箱根駅伝2021完全ガイドアンケートより)。

陸上競技マガジン 1月号

文/生島淳 写真/椛本結城

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