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2020-12-14

【女子ボクシング】成田佑美、完勝で日本V1

成田(右)の右がモンブランにヒット

13日、日本女子ミニマム級タイトルマッチ6回戦が大阪・エディオンアリーナ大阪第2競技場で行われ、チャンピオンの成田佑美(姫路木下)が挑戦者のモンブランみき(ワタナベ)を3-0の判定で下し、今年1月、東京・後楽園ホールで臨んだ王座決定戦で就いた王座の初防衛に成功した。

冷静にアウトボックス

味わった悔しさが、チャンピオンをひと回り大きくした。2年前の10月に迎えたキャリア初のタイトル挑戦。後楽園ホールで対戦者を終始、アウトボックスし、勝利を確信したものの、下された判定は引き分け。アウェーの控え室で成田は涙をこぼした。

「でも、あの経験があったから、倒すボクシングやったり、誰が見ても勝ったっていう試合をしないと、勝ったとは言えないんやなって、学べたので」

開始から距離を詰め、にじり寄ってくる挑戦者に対し、左ジャブ、右ストレートを的確に当て、サイドに回った。巧みにさばきつつ、さらに要所に右カウンターも決めた。それでもモンブランは食らいついてくる。レフェリーからバッティングの注意を何度受けても懐にもぐりこんでくる。成田はだが冷静で、集中を切らすこともなかった。左フックで回したり、右アッパーで相手の上体を起こして左フックを決めたりと、多彩に迎撃し、寄せ付けなかった。

「(前に出て来ることは)予想していたことなので、それに向けて練習もしてきたし、焦ることなく、気持ちはどっしり構えていられた」

習い事感覚から本気に

元陸上自衛官にして、即応予備自衛官。昨年の『令和元年台風19号』の際には災害派遣に参加し、復旧活動にあたった経歴を持つモンブランも、これが2度目のタイトル挑戦。強い気持ちを持って、大阪に乗り込んでくることもわかっていた。

終盤には、逆に接近戦に応じてボディを攻めて見せるなど、最後までモンブランを押さえ込み、判定は60対54、59対55、58対56の3-0。完勝の内容だったが、成田は満足していない。

「終わってみたら、もっと練習してきたことができたな、と思いました」

目指すのは倒せるボクシング。強い右、カウンターの右を練習してきたが「もっと狙ったタイミングで打ったり、的確にアゴを捉えたりできたら」と貪欲に課題を挙げる。

23歳のとき、現在も担当トレーナーとして指導を受ける元日本ミドル級王者の江口啓二さんが開いていたボクシングエクササイズ教室に“習い事”感覚で通っていた。26歳で仕事を辞めて一念発起。江口さんの古巣からプロデビューしたが、判定負け。それから回り道もしながら、一歩一歩階段を上がってきた。

「チャンピオンになって、変わったのは周りだけ。自分はまだまだという気持ちは変わらない」

これからも経験を糧に、成長につなげていく。戦績は5勝(1KO)4敗3分。ワタナベジム移籍初戦でもあったモンブランは4勝1KO4敗1分。


与那覇が4年8ヵ月ぶり勝利


与那覇(右)はランカー小山内を破る

この日のメインで行われたバンタム級8回戦は、元東洋太平洋ランカーの与那覇勇気(真正)が日本スーパーフライ級14位のサウスポー、小山内幹(三迫)に3-0の判定勝ち。2回に2度のダウンを奪い、さらに有効打で右目の上も切り裂きら勢いに乗った。苦しい展開を強いられた小山内も懸命に挽回を図ったが、与那覇の強烈な左ボディ、右ボディに遮られる。終盤、小山内もよく追い上げるも攻めきれず。77対73が2者に76対75の判定で与那覇が逃げ切った。

昨年10月、3年3ヵ月ぶりの再起戦には引き分け。これが実に4年8ヵ月ぶりの勝利となり、「ホッとした」と素直に振り返った与那覇は「小山内選手は日本ランカーでもあり、アマチュア経験も豊富。危機感を持って、練習できたし、このタフな試合に勝てたのもジムのみんながハッパをかけてくれたおかげ」と感謝した。与那覇も沖縄尚学高から東洋大でアマキャリアがあり、高校時代は選抜で優勝もしている。戦績は8勝5KO3敗1分。これで下位ながら日本ランク入りが濃厚か。青森北高、明治大時代に主将を務めている小山内は4勝1KO3敗。こちらは1年7ヵ月ぶりのリング。ケガを乗り越え、日本ランカー相手
に連勝中だったが、三迫ジムへの移籍初戦を勝利で飾れなかった。

ボクシング・マガジン 1月号

文◎船橋真二郎/写真◎宮原和也

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