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2020-12-16

【アメフト】「Through the uprights」第2回 TSLのレギュラーシーズンを振り返る=佐藤敏基

©The Spring League

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皆さんこんにちは。現在、フロリダに向かう飛行機で空の上から執筆しております。前回のコラムからだいぶ時間が空いてしまって申し訳ありません。今回は僕の所属するAviatorsのTSLレギュラーシーズンの戦況を振り返ります。基本的に試合は1週間インターバルで行われ、計4試合の予定で組まれていました。

Week1 vs Jousters(28-0)
”4th downの位置付け”

初戦という事でリーグの雰囲気を掴み切らぬまま試合の日が来ましたが、ここで初めに驚かされたのは「キックネット※がない」という事でした。試合中はサイドラインにネットが置いてありスペシャリストはそこにボールを蹴ってウォームアップを行うのですが、そのネットがありませんでした。正直これには試合中かなり苦労しました(week2からはチームメイトのスペシャリストとスポーツショップに赴いてネットを買いました)。試合はディフェンスの活躍が光り28-0と快勝しましたが、敵陣深くでの4thダウンは全てギャンブルを行いました。どうやら選手の能力を見るためになるべく4th downはGoするというリーグの意向のようでした。代わりにPAT(ポイント・アフタ―・タッチダウン)がNFLよりも長い35ydのキックとなっている、という事でした。このPATを100%決めたのはWeek1ではリーグで僕だけだったので良いスタートになりました。

※編集部注 キックネットとはこのようなものです。

Week2 vs Blues (23-17(OT))
”TV放映下での劇的勝利”

Week2は全米TV放映があり、ここは何としても結果を残したいと意気込んだ一戦でしたが、なかなか思うようなパフォーマンスが出せないでいました。しかし試合時間残り1秒で同点をかけたFGが回ってきました。距離は40ydと難しい距離ではありませんがこれを決め、延長の末に勝利しました。最後はとにかく「呼吸」と「リズム」にフォーカスして蹴り込みました。全米放映される中で同点弾を決める事ができたのは収穫になったと思います。しかしこのTV放映に思わぬ試練が1つありました。それは「TVタイムアウト」です。試合中の節目ごとにこのタイムアウトが入り、頻繁に試合が止まります。この試合は延長までもつれ込んだ事もあり、試合時間は4時間ほどに達していました。長時間の試合、しかも頻繁に試合が止まることよって試合の流れや集中力を保つことが難しくなったり、キッカーにとっては体が冷えないようにし続けなくてはいけないなど特有の課題が生まれてきます。当然NFLの試合はこの「TVタイムアウト」が毎試合あるわけですから、ここで経験する事ができて良かったと思います。

Week3 vs Conquerors(19-42)
”朝起きた瞬間にボールを蹴れるのがキッカーだ”

試合予定日の前日の練習を終えてホテルに戻り、体のケアを行なっている際にチームのGMからメールが届きました。明日の予定かと思いメールを開いたところ”GAME MOVE TO TONIGHT”の文字がありました。どうやら当日試合予定のチームの選手からコロナ患者が複数発生したとの事でした。TV放映枠を押さえていた関係で試合を行わなくてはならず、急遽僕らの試合がとり行われることとなりました。相手も同じ条件下ではありましたが、スイッチの切り替えは相手の方が上手だったようで当時全敗だったチーム相手に完敗してしまいました。NFLでも同様に試合時間がコロナの関係でずれるケースが今シーズン何度か発生していますし、これは超えなくてはいけない壁でした。また、NFLキャンプでも今日は蹴らない日だと言われながらも急に蹴らされるということは当然のようにあるらしく、キッカーは「朝起きた瞬間にボールを蹴れと言われても蹴る事ができなくてはいけない」と半ば比喩のように言われることがありますが、こういう事なんだと身に染みました。

Week4 vs Generals (中止)
“シーズン中止、そして再起”

レギュラーシーズン最終節はそれまで唯一全勝を守ってきたチームとの対戦でした。気合十分で朝から準備をしていましたが、まず僕らの前に予定されていた試合がまたもやコロナで中止となり、不穏な空気が流れていましたが僕らの試合も結局直前で中止となり、Week4と決勝戦を残したままリーグ終了のアナウンスが流れました。煮え切らない気持ちでサンディエゴに戻り、再度トレーニングを積んでいたところTSLから連絡があり、決勝戦を行う事が知らされました。Week3までの勝ち点と得失点差から、僕の所属するAviatorsとGeneralsの2チームで試合が行われる事となりました。試合はコロナ感染状況が比較的良いフロリダ州のオーランドにあるCamping World Studiumで行われます。このスタジアムはNFLのプロボウルに使用される場所で、こんな場所でプレーできるというのは何とも嬉しいものです。
気づけば2020年も終わりが近づいてきました。こんな世界情勢の中でもアメリカのフィールドに立って試合ができることに感謝して今年の集大成をぶつけます。
Focus on what you can control.

佐藤


佐藤選手が出場するTSLのチャンピオンシップは現地12月15日午後7時(日本時間12月16日午前9時)キックオフとなります。(編集部)

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